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〜ウルトラマンガ総ざらい〜

ウルトラマンに関するコミカライズ作品やアレンジしたマンガなど、総ざらっちゅう企画だゾ。
原稿および資料提供は、例によって、ボクの兄者だ。
これを見ると、ウルトラマンに関するマンガの変遷が一通りわかると思う。
わかったからってどーだってゆーの? とか聞かれても困るけど。
かつて、ウルトラマンが好きで好きでウルトラマンのマンガを夢中で読んでいた方々に、お送りしたいと思います。

このコンテンツをご覧になった感想やご意見などがございましたら、こちらまで。
cdh92970@par.odn.ne.jp
事実誤認なんかは、マジでどしどし指摘してくださるとありがたいです。

しかし、ボクもこれ読んで初めて知ったけど、講談社と小学館の版権闘争は、なんだか新日本プロレスがブッチャーを全日本から引き抜けば全日は新日からハンセンを引き抜きかえすみたいなやりとりで、おもしろかったんだな。ボクたちが知らないところで、こんな闘いがあったんだねえ。

 

 

珍しいことに私の書く雑文に感想とリクエストが来ました(ゴーシュさんありがとうございます)。
早速リクエストにお答えして…といきたいところですが、残念ながら私は「ウルトラ兄弟物語」はそれほど詳しくないのです。リアルタイムで読んではいましたが。
そこで、リクエストをカバーするためこんなものを作ってみました。
題して「ウルトラマンガ総ざらい」。では始めましょう。

 

まずは、当然第1期シリーズから始まるわけですが,さすがにこれらは私もリアルタイムでは読んでいません。後年,コミックスで集めたものです。
幸いこれらのほとんどは現在再販され,入手可能となっていますので遠慮なく紹介できます。

最初は『ウルトラQ』です。
作者は中城健。後に「キックの鬼」や「四角いジャングル」を手がける氏ですが、この頃はまだ少年漫画らしい絵で,怪獣に愛嬌があります。
また,一方でケムール人などは非人間的なフォルムで表現され,本編以上に不気味なイメージをかもし出しています。現在朝日ソノラマから豪華本が再販中です。

続いて『ウルトラマン』です。
2作品あり,作者は一峰大二楳図かずおです。
一峰版は絵物語の絵をマンガのコマ割りにはめ込んだという感じで、描き込まれた怪獣が素晴らしいです。
人物はさすがに時代を感じますが、味があり,私は好きですね。現在秋田書店から完全復刻版が発売中です。
そしてもう一本、楳図版ですがこれは全ウルトラマンガ中最高ランクのオススメです。
このマンガは何が良いかというと作者の楳図かずおが自分という漫画家の特性を120%把握していることです。
すなわち,ウルトラマンに怪奇マンガのテイストを持ち込んでいるのです。
バルタン星人に乗り移られた少年の体と心が徐々にバルタン化していくシーンの不気味さやミイラ人間の狂気をはらんだ目の怖さはこんな拙い文章ではとても表現できません。
残念ながらこの楳図版は現在少々入手困難です。が、探して読む価値は十二分にあるといっておきましょう。


「ウルトラマン」作者:楳図かずお 全3巻。 引用元:サンこミックス版1巻P.54。
バルタンに冒された住人達の目つきがグーです。



最後は『ウルトラセブン』です。
こちらも2作品です。作者はウルトラマンと同じ一峰大二桑田次郎
一峰版の印象はウルトラマンと同じです。
続いて桑田版ですが「エイトマン」の硬質でシャープな線がそのまま生かされ,ウルトラマンよりも線が多くメカニカルなイメージのあるセブンにマッチしています。
氏のキャラの人気の高さは現在桑田バージョンと称して怪獣やセブン,アンヌのソフビが売られていることでも伺えます。
一峰版は朝日ソノラマ,桑田版は大都社から再販中です。


「ウルトラセブン」作者:桑田次郎 引用元:大都社版1巻P.45
硬質感のある絵柄が特徴的な桑田次郎のウルトラセブン。
狂暴そうなエレキングがイカす!



次に第2期ですが,ここでちょっとした変化があります。
それは版権です。
第1期の版権は講談社が持っていたのですがこの第2期からは小学館になります。
学年誌でのコミカライズ及び少年サンデー,コロコロコミックでの漫画化の大攻勢は第1期にやりたくてもやれなかった反動でもあるのです。

では,個別にいきましょう。
まず、『帰ってきたウルトラマン』ですが、単独のコミックスはありません。
内山まもるによって学年誌でコミカライズはされているのですが、それも「ザ・ウルトラマン」のコミックスには収録されておらず,もっとも不遇なシリーズといえます。

次に『ウルトラマンA』。これと次作の『ウルトラマンタロウ』は少年サンデーで連載されたバージョンがあるのですが,小学館は何をトチ狂ったのか、このコミカライズをダイナミックプロに依頼しています。
作者は前者がテレビマガジン版デビルマンなどを手がけた蛭田充。
後者があの石川賢です。
Aに関しては特筆すべきことはありません。ごく普通のコミカライズといっていいでしょう。
そのせいか、ほとんどのウルトラ作品が再販されているにもかかわらず本作はされておりません。コミックスは大都社です。

対してタロウはさすが石川賢だけあって、全然普通じゃありません
そもそも、タロウがM78星雲から来た宇宙人だという記述が何処にもないのです。
敵も単なる怪獣ではなく、知性を持った怪物、奇形児、ミュータント、宇宙人など。これらを「負の存在」とし、ウルトラマンを「光の存在」とする設定は平成ウルトラシリーズを先取りしています
また、石川賢らしく,被害に遭う人々も敵たちも血しぶき全開の内臓バリバリなんですが、ウルトラシリーズ中最も牧歌的なタロウのコミカライズでというのがまたなんとも…。


「ウルトラマンタロウ」作者:石川賢 全1巻 引用元:大都社版1巻P.159
いやぁ〜すばらしい。さすがケン石川、やってくれるゼ!


ともあれ楳図版ウルトラマン同様、作者が自分の資質を理解し尽くして描いた本作、絶対のオススメです。
コミックスも現在双葉社から再販中で入手しやすいのでぜひ読んでみてください。
続く『ウルトラマンレオ』ですが、これも単独のコミックスはありません。

この後ウルトラシリーズは第3次怪獣ブームに突入、いわゆる活字のウルトラブームが始まるのですが、その先鋒たる『ザ・ウルトラマン』(作者:内山まもる)については以前書いたコラムに詳しいのでそちらをご覧下さい。

その「ザ・ウルトラマン」をメインにしたコロコロコミックウルトラマン増刊ですが、内山まもるだけでは埋めきれず、描きおろしの作品が何本か掲載されたのですが、その中に『ウルトラセブン物語』というのがありました。
これはかつてセブンがレッドマンと呼ばれていた頃、自らの思い上がりから仲間をピンチに追い込んでしまい、自分の未熟さを鍛えなおすべく修行を行い、見事強敵を打ち倒し、レッドマンは長老から伝説の勇者の名ウルトラセブンを名のることが許されたというストーリーの読みきりです。
この作品が好評だったらしく、まもなくコロコロ本誌で連載が始まります。
この連載こそが『ウルトラ兄弟物語』(作者:かたおか徹治)です。
これはあくまで自分の想像なのですが、この作品、コロコロ編集部が内山まもるに大好評のジャッカル編の続編を依頼して断られ,その代役として始まったのではないでしょうか。
と、いうのも物語当初にジャッカル四天王の最後の生き残りが出てくるのです。
いろいろあったらしく、片目を失った彼はウルトラ一族に復讐を誓いますが、ほとんど見せ場もなく退場してしまいます。
しかし,結果として「ウルトラ兄弟物語」は独自の世界観を作り上げ長期連載となりました。
その独自の世界観とは一言で言えば「極めて人間くさいウルトラマン」ということでしょう。
先の「ウルトラセブン物語」の増長したレッドマンもそうですし,一部で有名な、任務に失敗し酒に溺れる新マンなど、人間が出ないかわりにウルトラマンが人間くさい訳です。
この辺が熱狂的なファンとこんなもの認めないという(自分の周りにわりといました)極端な評価になった理由でしょう。

さて、もう一本どうしても紹介したいのが『決戦!ウルトラ兄弟』(作者:居村真二)です。
この作品はコロコロよりさらに低年齢層向けの雑誌「テレビくん」で連載されたもので、コロコロに再掲載されることもなく,いきなりコミックスが発売されたので当時驚いたものです。
しかし,低年齢層向けとは思えないほど物語はしっかりしており,テレビシリーズで語られなかった1話という形式をとったオリジナルストーリーです。


「決戦ウルトラ兄弟」作者:居村真二 全1巻 引用元:てんとう虫コミックス1巻P.137
ゼットン三世・・。侍なりッ!


惜しくの絶版となっており,このコミックスにはマンからタロウまでの6話(セブンのみ2話)が収録されていますが,未収録のレオまで含めた再販が待たれます。

第3次怪獣ブームの影響でウルトラマンはテレビアニメ『ザ☆ウルトラマン』として復活しますが、おかしなもので本家本元が復活するとその周辺は熱が冷めるようです。
本作も学年誌やテレビくんでコミカライズ化されたものの単独のコミックスは発売されませんでした。
続く『ウルトラマン80』も同様です。
また、劇場作品(『ウルトラマン』、『実相寺昭男 ウルトラマン』、『ウルトラ六兄弟対怪獣軍団』、『ウルトラマンZOFFY』、『ウルトラマン物語』等)もコミックスはありません。


この後ウルトラシリーズは長い冬眠期に入りますが、一般の人はほとんど知らないムーブメントが多少ありましたので紹介しましょう。
まず1つ目は『ウルトラ超伝説』の連載と『アンドロメロス』の放映です。
「ウルトラ超伝説」の作者は「決戦!ウルトラ兄弟」と同じ居村真二。掲載誌も同じくテレビくんです。
ストーリーはというと、パワーアップして復活した怪獣軍団にウルトラ兄弟は大苦戦し,ついにゾフィーが戦いの最中ブラックホールに飲み込まれ、行方不明になってしまう。
絶体絶命のウルトラ兄弟。そこにウルトラ族に伝わる伝説のプロテクターを着けたアンドロメロスと名のる戦士が現れる。といったもので、ここまでは非常に面白いです。
しかし,この後,アンドロメロスの正体は行方不明だったゾフィーだったのですが、プロテクターの本来の持ち主が現れたり,セブンが行方不明になった後アンドロウルフと名のる男が現れ,「当然こいつはセブンだな」と思わせておいて実は本当にセブンじゃなかったりといろいろあった挙句、ウルトラ兄弟は全然関係なくなっちゃいます。
テレビシリーズの「アンドロメロス」はこの後半部分の映像化ですので、これをウルトラシリーズに加えるかどうかファンの間でも意見が分かれています。「ウルトラ超伝説」は現在大都社から完璧版が再販中です。


「ウルトラ超伝説」 作者:居村真二 引用元:大都社版コミックス1巻表紙
こんなウルトラマン、いやぁ〜! カッコよくなーい。


2つ目は円谷プロ監修による描きおろしコミックスの発刊です。
これはリムからの発売で経費の関係上テレビシリーズの再開が難しいウルトラマンを描きおろしコミックで表現しようというもので、マンから80まで全40巻という壮大なラインナップも発売時期も決定していましたが、マン,セブン,タロウ、80の第1期発売分だけであえなく中止となりました。
理由は出版元の倒産です。しかし、このことが無くとも、面白くないうえに絵がすさまじく下手だったので、40巻の完全刊行は難しかったと思います。
何しろこの自分も食手が動かなかったのですから。
ところが後年思いもがけずこの作品に再会する事になります。といっても先の3作品ではなく発売されなかったAにです。
どうやら当時発売こそされなかったものの原稿は完成していたようで、それが双葉社から発売され、日の目を見たわけです。やっぱり面白くありませんでしたが。

3つ目は『ウルトラマンネオス』『ウルトラセブン21』です。
テレビくんのグラビアで展開し,イベントでの舞台劇などにも登場,コミカライズ化もされましたが,コミックスの発売には至りませんでした。
なお,この舞台劇,自分も見たことがあるのですが、極め技に光線技が使えないウルトラマンというのはどうも抜けてるというか,今ひとつでした。
この2作は平成12年にオリジナルビデオ化されています。

そして4つ目はアメリカ製作によるアニメーション映画『ウルトラマンUSA』の公開です。
ほとんど話題にすらならなかったので、まあ当然といえば当然ですがコミカライズ作品はありません。



冬眠からの目覚めは新たなる媒体によってもたらされました。
オーストラリア製作でビデオ発売された『ウルトラマングレート』の登場です。
ここでまた余談ですが、このグレートからまた版権が講談社に移ります。
そして小学館はこの報復であるかのように「仮面ライダーBlack」の連載を少年サンデーで開始。
仮面ライダーの版権を得ます。

『ウルトラマングレート』のコミカライズですが、テレビマガジンで連載されました。
作者は島本和彦です。
この作品、決してつまらなくはないのですが、どうも気合が空回りしているような気がします。
現在マガジンZで連載中の「仮面ライダーSPIRITS」(作者:村枝賢一)もそうですが、マニアに本家本元をやらせるとどうも気負いすぎてしまうのでしょうか?
ネタにした時や、オマージュとした作品の方が面白いです。
コミックスは講談社ではなく徳間書店から発売されました。

続いて、アメリカ製作のオリジナルビデオ『ウルトラマンパワード』が発売されましたが、コミックスはありません。
ちょっと変わったところでは『ウルトラQザ・ムービー 星の伝説』で、コミックスではありませんが前売り券を買うともらえる小冊子でさいとうたかをがダイジェストを描いています。

この後ウルトラシリーズはまた休止期に入りますが、その間講談社ボンボンコミックスから『ウルトラマン超闘士激伝』(作者:栗原仁)というコミックスが発売されます。
この漫画、キャラが2〜3頭身(いわゆるSD)なので手にとっていない方も多いと思いますが、ストーリーはなかなかどうして硬派です。
宇宙に平和が戻って数十年後,この平和を記念してウルトラ族、怪獣、宇宙人の垣根を越えた武闘大会が開催された。って、ようするにドラゴンボールなんですけど、これが面白い。
特に自分が感心したのはディティールの細かさです。
アントラーには光線技が効かないとか、ゼットンをウルトラマンと地球人が協力して倒すとか,ウルトラの父が正体を隠して大会に参加するがその偽名が「ミスターサンタ」だとか本編見ていないとわからないネタがてんこ盛り。


「ウルトラマン超闘士激伝」作者:栗原仁 原作者:瑳川竜 全6巻 引用元:ボンボンコミックス3巻P.88


80、ジョーニアス、グレートの3人が実力のある外れ者として助っ人にくるというのもお気に入りです。
古本屋で目に留まったときで結構ですから読んでみてください。なお、この作品、オリジナルストーリーでOVA化されています。
あと、この時期講談社ボンボンコミックスからもう1本『疾風ウルトラ忍法帖』(作者:御童カズヒコ)というコミックスも出ていますが、こちらはギャグマンガなので割愛します。
管理人注:ウルトラ忍法帖は、寿(疾風〜の後のシリーズ。)の後半近くからシリアス路線に移行するんだけど、
これが、けっこうアツくて、おもろいですよ。マン兄ィ〜!

ギャグという点ではアニメ作品『ウルトラマンキッズ』『ウルトラニャン』も同様ですので割愛します。

また時代は巡り、オリジナル劇場作品の『ウルトラマンゼアス』を経て、テレビシリーズにウルトラマンが戻ってきました。
『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンガイア』のいわゆる平成ウルトラ3部作。
そして,これらの劇場作品及びオリジナルビデオ。
『ウルトラセブン』の新作ビデオシリーズ、『ウルトラマンコスモス』の劇場版とテレビシリーズ。
現在はあまりマスコミでは取り上げられませんが、第4時怪獣ブーム呼んでも差し支えない状況です。
しかし、出版不況の現在、コミカライズのコミックスは1冊も出ていません
ウルトラマンガマニアには厳しい状況ですが,テレビマガジンを毎号買うわけにもいきませんし(中にはそういう豪の者もいるでしょうが)。
将来双葉社か大都社が発行してくれるのを気長に待つしかありませんね。




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