
映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」は、傑作か否か!?
2008.9.30UP
2008年9月29日に上げた私の日記に、愚兄がもうれつなイキオイでかみついてきた。
おもしろいので、ここに論争の記録を示す。
先ずは、私の日記、続いて愚兄から届いたメールを示す。
ちょもすけ
愚兄から、
「大決戦!超ウルトラ8兄弟」をなにがなんでも観ろ!大スクリーンで観ろ!絶対に観ろ!」と、すごい剣幕で迫られた。
いやはや、まあ、それでいちおう観に行った。
でも、うーん・・・シナリオが悪く、シラけてしまって、残念ながら物語に乗れなかったな。
初代マンへの尊敬と感謝の気持ち、そして魂を受け継ぎ、これまでつむいできたウルトラシリーズの素晴らしさを謳った、そうした作り手の気持ちは伝わった。胸が熱くなる場面もいくつかあった。
でも、シナリオが悪い。とても悪い。
“ウルトラマンが僕らに教えてくれた事”を、本作においては、「信じれば夢はかなう。」「夢をあきらめるな。」くらいの意味に捉えていたようだ。それはそれでいい。
問題なのは、夢想、絵空事を信じることが夢を信じることである、と受け止められかねないシナリオになっていることだ。
極端な言い方すると、「昨夜の夢であなたはウルトラマンでした。あなたはウルトラマンです。夢を信じましょう。」的な論理で押し付けられたように感じた。
本作で言う”夢”の意味は、一つは絵空事としての夢、もう一つが職業としての夢だろうか。
何年か前に見たテレビで、大前研一氏が「成りたい職業があって、がんばって目指したけど駄目だったという経験をするのは、素晴らしいことなんですよ。」と言っていた。
ああ、その通りだよなあ、と思った。
夢をかなえることとは、自己実現の為に努力して到達して得る境地であったり、社会の中で何か役割りを果たすことであって、成りたい職業を目指してがんばるのは素晴らしいことだけど、実際にその職業に就けるかどうかはたいした問題じゃない。
“職業としての夢” それ自体に囚われてしまうのは、息苦しい。
ウルトラマンは、もっとおおらかで優しい気持ちを僕らに教えてくれたはずだ。
本作からは、夢の苦しさを押し付けられて、愉快な気持ちではなかった。
あと、これはボクの考えだが、現実世界とウルトラ世界は相性が悪いと思う。
今回、本作では、ウルトラマンや怪獣がいない世界、つまり我々がいる現実世界に怪獣が現れるという設定で、意気込みは買うが、あまりこういう事をやらない方がいいと思った。
素直にウルトラ世界の中でリアルを積み上げていった方が賢明だ。
と、ここまで不満をたらたら並べたてたが、それなりに楽しかった。
特に、次のミライのセリフがよかった。
「ジャック兄さん!
・・・通じませんか? 新マン兄さん! 帰りマン兄さん!」
日比野ミライにもう一度会えたのは、嬉しい。
愚兄
HP見た。感想なんだから反論しても仕方がないのだが、やはり反論せざるを得ない。
まず、夢に対するとらえ方だが、「職業としての夢」というのはそれこそ「夢」を「夢想」としてとらえていない証拠ではないか。
大体、具体的に「職業」として成立しない夢なんてまさに「夢想」ではないか?福満しげゆきの漫画じゃないが「25歳までに成功してビッグになる。方法はなんでもいい。」なんてのが「夢」と言えるか。それこそ俺から見たら「俺だっていざとなったら初陣でザクの1機や2機…」なんて言ってるのとたいして変わらないよ。
作中平成ウルトラの3人は実現不可能な夢を見ていたわけじゃない。むしろ十分実現可能だったが様々に理由で断念した。それをもう一度かなえることが作中の「夢」だ。
君が例にあげた大前健一氏の言葉で言うならば「なりたい職業があって頑張ったけど〜」の頑張る部分に入る前に断念してしまった。それを本作でもう一度頑張るという「夢」を取り戻したのだ。実際に本作で夢をかなえてしまうシーンが蛇足に思えるのはまさにそれが単なる「結果」だからだ。
あと、現実世界にウルトラマンが登場する件だが、これも君と俺は180度感じ方が違った。
現実世界に怪獣が出る世界、それは素晴らしく甘美な「夢想」の世界だ。
現実にはそんなことは起こらない。作中でダイゴは子供のころウルトラマンにあこがれていた。
けどミライに「あなたはウルトラマンだ」と言われても信じなかったじゃないか。
目の前でミライがウルトラマンに変身したのを見ても「自分もウルトラマンであること」は信じなかったじゃないか。
それぐらい本作の登場人物は地に足をつけている。「現実」と「夢」と「夢想」を区別している。
でも、それぞれの中にウルトラマンはいるんだよ。だからこそメビウスを見た一般市民たちも誰もが(自分の知っているウルトラマンと多少デザインが違っても)すぐに「ウルトラマンだ」と反応し、応援した。昭和ウルトラ4兄弟と平成の3人はこの世界を守りたいと思った時変身できた。この世界観は素晴らしいと思う。
正直に言うと君がこの作品が楽しめなかったというのは非常に残念だ。
なぜなら自分はこの作品を傑作だと思ったからだ。
それはつまり、君と感覚がずれてしまったということだろう。今後俺が「君にも楽しんでもらいたい」と思って推薦したものを「否定されたら」と思うと素直に推薦できない。「そんな大げさな」と君は言うかもしれないがそれほど俺はこの作品が気に入っていたんだよ。「面白かった」とかいうレベルじゃなくて。この気分のままでは「今週のオススメ」とかも更新できない。しばらくは寄稿しないつもりだ。
以上
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