
現代社会における食糧供給体勢の限界が露呈しつつある今、人類は新しい食糧生産体制の必要に迫られている。
大いなる千年王国。
男なら誰もが夢見たダチョウによる絶対王制。
今、歴史的実験が茨城県石岡市のとある施設により、進められようとしていた。
21世紀の理想郷、その名も・・・・・
神聖 ダチョウ王国
それは有る日のこと、週刊少年チャンピオンをたしなんでいた休日の午後だった。
当時、少年週刊チャンピオンで連載中だった「鉄鍋のジャン」において、次のようななんとも魅惑的なコピーが踊っていた。
ずばぁぁぁん!
21世紀の食材! ダチョウ肉!
ふはー。指紋の隙間にまで食らいつくほどの肉の締りとマットな食感・・。
かと思えば、ガチガチの肉質、鉄分ジャリジャリ、血の匂いプンプンで、凄腕のジャンが調理してさえ煮ても焼いてもどうにもならない食材にもなりえる。
なんて妖しい食い物なんだ。
喰いてえ・・・。
ん、取材協力ダチョウ王国!? 茨城県石岡市だと!?
そんなに遠くねえ・・・。
「うおおー! くそ兄貴。ダチョウだ、ダチョウだ。21世紀はダチョウなんじゃ!これからダチョウがもてるんじゃよー!?」
「どうした。今度はなにをおもいついたんだ?」
「つまり、ねっとりじっとりぐっちょりと指紋にまで絡みつく肉質と危険な血の香りにナウなナオンが七転八倒。鳥類最大にして最強、最悪の鳥、ダチョウを喰らうことで身につくワイルドさが、ナオンの心もダチョウなのに鷲づかみとはこれいかに!」
「わかった。座ってトンカツを食え。」
「ふむ。つまりジャンの表紙の隅に書いてあった、取材協力の情報を手がかりにダチョウ肉を食いに行こうということだな。」
「うむ。それでまあ、だいたい大筋はあっている。いざゆこうぞ、レッツ ダチョウ!」
「めんどくさいからヤダ!」
「ジャイガンスティーック!!※」
注:偉大なる人物ジャイアンツを称えて言う言葉。当時チャンピオンで大流行していた(自分だけに)。
「きさまー! 21世紀の食材などと謳いつつ、21世紀には速攻ですたれて跡形もなく消え失せるような怪しい食い物を今喰わんでいつ喰うというんだー!」(業界関係者からの抗議は一切受付けません。)
いやがる愚兄を説得して、ようやく茨城県石岡市へと向かう。
JR石岡駅前・・・。
田舎にありがちな、寒々としたやる気のない駅前風景。
まず、最初の目当てはダチョウストリートだ。
ダチョウストリートとは作品中にでてきた通りで、ダチョウ料理店ばかりが建ち並ぶというなんとも魅惑的な通りのこと。
この通りが存在するならば、市の中心部であるここ駅前付近だろう。
もし、この付近じゃなかったとしても情報収集はしやすい。
「ただいまよりダチョウストリートの徹底調査を開始する!」(キバヤシ風に)
我々は付近を探索しながら、地元住民や警官に聞き取り調査を行った。
調査開始から、およそ約1時間・・。
「どういうことだ? 誰もダチョウのことを知らないなんて・・・。」
「ああ、オレの方も同じだ。一通り調査したが手応えがまったく感じられない。住民への聞きこみ調査も
かえってくる返事はおおむね同じ。“そんなもの聞いたことがない。”だ。」
「ハッ!」
「ま、まさか・・?。か神の声か!」
神の声: 「聞け!そして耳をかっぽじれ、ゴミ羊よ・・。ダチョウストリートは西条真二のネタであり、ハッタリであり、ガセ・嘘・捏造だったのだよ。ご苦労だったな・・、うふふふふ。」
「マ、マジか、神!?ダチョウストリートはガセ? ネタ? 存在しない?
・・・ひ、ひひひ・・・・イヒーッヒッヒッヒ、アヒィーヒャッヒャッヒャ!」
(管理人は神の声を受信することができる。ここここの前も渋谷の交差点ででで、かか神の声ががが、すす全ての人間を、きき斬り刻めとととと。)
神の声に従い、我らは目標を変更して、ジャンの取材協力先であったダチョウ王国をめざした。
ボクは西条真二に騙された怒りを胸に車を駆った。
隣では愚兄がボクに向けて、冷ややかというかあきれはてた視線をあびせており、それはまぎれもなく“現実とマンガの区別がつかない気の毒な人”を見つめるそれなワケで、なおのことそれがボクの怒りを助長させたワケで・・・。
サイジョウシンジメ ノロイコロシテヤル
ともかく、我らは人づてに道を聞きながらなんとかダチョウ王国へとたどりついた。
ダチョウ王国。
鉄鍋のジャンで取材対象となったそこはダチョウを飼育している牧場であった。
王国における道路はそれ自体がまるでサファリパークのよう、そして現れる動物はダチョウ、ダチョウ、ダチョウ・・。
実際に目にするダチョウはとってもデカイ。
こうしてダチョウの群れを見ていると、なんだか故大山総裁の声が聞こえてくるようだ。
「野生の動物は強いよ、チミー。わたしはニワトリとだって同じ部屋にいたくないよ。」
ましてや相手はニワトリどころかダチョウだ。ジャンはよくこんなの殺せたよなー。
あとジャンと大谷はダチョウにリンチくらってたけど、死ぬよな、ふつう。
「ひぃいい〜〜!!」
なんてことを考えていたら、隣で愚兄が悲鳴をあげている。
愚兄はこういうデカイ鳥が生理的にダメらしい。
ダチョウの大群に慄く愚兄を無視して車を走らせる。
王国の宿舎らしき施設があったのでそこで車を止めた。
飼育所のフェンスにパネルがかかっていて、それにはダチョウ肉についての解説があった。
かいつまんでいうと、内容はこんなかんじ。
1 ダチョウは牛よりも面積あたりの収穫量が多く飼育効率がよい。
(日本のように国土が狭い土地に向いている。)
2 脂肪が少ないため、牛肉主体の食生活よりも生活習慣病の発症率は小さいだろう。
どうも、牛肉産業を強く意識しているようで、「打倒!牛肉」といった当事者達のスローガンが感じられる。
鉄鍋のジャンで21世紀の食材といっていた意味がなんとなくみえる。
飼育効率がよいことは、いずれくる食料不足の時代に適しているし、高タンパクで低脂肪なのは健康志向の時代にあっているしね。
作品中には、ダチョウを始末する時に絶対におびえさせてはいけないとあった。
おびえて興奮させてしまうと、暴れることで毛細血管が壊れて血なまぐさくなり筋肉も膠着して固くなってしまう。だからだ、と。
ここには、そういうウンチクは書いてなかったなあ。まあ、卸し方がどうのなんて、お客さんには関係ない話だからだろう。
係りの人がいたので、どこかにダチョウ料理を喰わす店があるか尋ねてみた。
ここでは食事はできないけど、肉の販売所ならこの近所にあって、国道6号線沿いに一軒だけダチョウを食わせる店もあるとのこと。
我らはダチョウ王国を後にして、今度はダチョウ肉の販売所へ向かった。
そこでは、とりあえず無難なところでステーキ用の肉とひき肉を購入。
まだ飼育規模も小さいというのに意外と安い。
同量の牛肉よりは安かったと思う。味の方はあとのお楽しみだ。
次に目指すは6号国道沿いにあるダチョウを食わすというレストラン。
てくてく6号を上っていく。
それらしき店があったので、とりあえず車を止めて店の様子をうかがう。
外にメニューの立て看板が出ている。
どれどれ、ん、アメリカン料理!?
んごごごご・・・
当店のダチョウはロッキー1ばりに叩いてから卸しています。 当店に比べれば他店のダチョウは叩いていないといわざるをえません。 いわば負け犬ルーザーです。 当店でしか味わうことが出来ない固くぼそぼそした肉質とジャリジャリした鉄の味と血生臭さを存分に堪能してください。 |
管理人注:「ラブやん」(著者:田丸ひろし)を読むよーに。
いや、本当はこんな店じゃなかったケド。
そこではダチョウ肉の薄切りステーキを注文しました。
喰った感想はというと、けっこうウマイ。
帰りの運転は愚兄にまかせることにして、ボクだけワインをかっくらう。か〜これだなッ!
ダチョウは鶏肉のイメージより、牛肉のそれに近い。
一言でいえば、「あっさりした牛肉」。
あえて鳥肉で例えるなら、鴨に近いカモ。(ナイスギャグ。オレ様)
とにかくダチョウはなかなかイケル。
でも、マジなはなし、ガチガチで鉄分ジャリジャリで血生臭いダチョウも喰ってみたかったりして、マジでマジで。
その後のダチョウ王国について
我らが行った時はダチョウ王国もたんなるダチョウの飼育場といったおもむきで何にもなかったわけだけど、現在はだいぶ様子が変わってるようです。
レストランもちゃんとあって、しかもダチョウ肉の刺身まで食べられるよ。
あと、なぜかゲルも。
なんでゲルなのかよくわかんないけど、とにかくゲルはいいよね。
ゲルのなかではショッカー怪人もゲルショッカー怪人になれるんだ。
みんなもダチョウ王国へ行ってみるベシ、だよ。
ダチョウ王国のホームページ(http://www.dacho.co.jp/)
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