〜愚行ふたたび! ドヤ街散策編〜
「孤独のグルメ」(作者:谷口ジロー 原作:久住昌之)
東京都台東区山谷の豚肉いためライス を喰らう!
台東区山谷地区という名称は地図には出ていない。
台東区の北部と、一部荒川区を含むエリアを差していうらしい。
ぶっちゃけていうと、ドヤ街のことだ。
ドヤ街か・・・。
ドヤ街という言葉を聞いて「あしたのジョー」を思い浮かべない人間はこの世にいないよなあ。
そんなわけで、メシを喰うほかにドヤ街散策とシャレこみましょうかね。ヒマだから。
あしたのジョーの舞台とえば、まず真っ先に思い浮かべるのが丹下ジムがあった泪橋であろう。
実際には泪橋という名の橋は存在しませんが、同名の交差点がこのエリアに実在します。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で、両さんが本田に向けて、「泪橋交差点に差しかかったら
彼女に向かって、「ここがあの有名な泪橋だよ。立つんだジョー!」とか段平の物マネして、
ギャグをかますんだ。」とかなんとか、デート指南していた話があったっけなあ・・・。
泪橋交差点は、ボクも何度か通ったことありますが、たんなる交差点ですね。
泪橋は名前の由来通り、かつてその場所に橋があったとのことですが、それは江戸時代まで
さかのぼるそうです。
南千住にある骨ヶ原処刑場へと向かう途中にあった橋で、囚人がここを通る時、泪したことから
泪橋と呼ばれるようになったという。次のサイトがたいへん参考になりました。
「山谷通信」 http://www.asahi-net.or.jp/~ea8t-mcd/index.htm#それぞれの山谷
たしかに東京は古くから治水が行き届いていましたから、丹下ジムの前に流れていたような川は
ジョーの連載当時の山谷にも存在しなかったと思います。
あしたのジョーでは、泪橋の名前だけ拝借したんでしょうな。
ボクも過去に何回か泪橋交差点を通ったことがあるけど、別に普通の交差点なので行ってもツマランです。
そんな訳で、本日は玉姫公園に行ってみましょうか。
玉姫公園は実在するんですよねー。
うんうん、玉姫公園のブランコで、うつむきながら孤独に佇むというのもいいな。
さらに地べたにミカンの皮でも落ちていれば、サイコーだな。
ああッ!しまった。ボク、コート持ってなかったんだ。
ドヤ街に行くには、ペラペラした感じの白っぽい長いコートが必要なのに、必要なのに。
・・まあいいか。
まずは玉姫公園へGO!
地図でみると、清川2丁目の辺り。
見えたぞ。あれが玉姫公園だ。
あれ?
あの〜。公共の場所であるべき公園が、職を持たない人々の秘密基地で埋め尽くされてるんですケドー?
立錐の余地もなく。
玉姫公園には、ブランコもなければ鉄棒もなく、端のほうにすべり台らしきものがあるくらいで、
あしたのジョーにでてくる玉姫公園のイメージとは大分つくりが違ってたけど、そんなこと指摘する以前に、
ある階層の方々が公園を全面的に占拠しちゃっていて、そもそも公園として全く機能してないんですケドー?
かくして、どっかで野菜サンド(トマトがはいったヤツ)でも買ってここで食べるのもオツかも、なんていう
ボクのマンガ飯計画はもろくも崩れ去ったわけで。
とりあえずは、玉姫公園の姿をデジカメに収めるか。
「玉姫公園」(台東区清川2丁目付近) 聖地はこんなカンジでした。
撮影中、ここの方々と、
「兄ちゃん、いいカメラ持ってるネエ。ちょーだい。」
「イ、イヤですよ!」
なんていう、やりとりもなかったわけで。
ボクは傷心のまま玉姫公園を後にしたわけで。
今度は隅田川でも行ってみようかねえ。
台東区橋場付近の隅田川ほとり
この辺りを、ジョーは行き来してたんだろうなあ・・・。
まさに気分は、ジョー。ジョー・ヤブーキだぜ!
フフフ、ワタシこの服似合いますか?
こうして隅田川のほとりに佇んでいると、誰かがボクに語りかけてくる。
「ちょも君はさみしくないの?
同じ年代の若者達は海へ山へと青春を謳歌しているというのに。ちょも君ときたらくる日もくる日も
腐れ仕事で遅くまで働いて、彼女もいないし、ダメ人間だし。お休みといったら寝るかマンガ読むか、
稀に糞くだらないサイトのコンテンツなんか作っていて・・・・。
・・みじめだわ。・・不毛だわ。青春と呼ぶにはあまりにも暗すぎるわ。」
ボクの心の紀ちゃんは、かなり性格が悪いようです。
さて、そろそろメシでも食いに行くか。
例の食堂はたぶん、この辺り・・。
お、このアーケードだ。
まんまマンガの通りでしたね。
本当は「いろは会」じゃなくて、いろは通りとか、少しもじってあるかと思ってました。
近くに「いちょう商店街」なんてのがあったから、もしかしてそこかもしれないって疑ってたんで。
このアーケードを抜けると例の店があるはず。
しっかし、ここは本ッ当にホームレスみたいなのが多いのー。
でも都心のそれとどっか違うものを感じるのは、なんつーか、この地域の生活に溶けこんでんのな。
ドヤ街の掲示板とかつらつら眺めて誰かの書き込みにあったけど、そこを閲覧している女性から
「山谷はちょっと怖い」とかいう感想に対する意見があって、「ここではケンカはよくあるし物騒に見えるけど、
レイプ事件なんかは不思議と聞かないよ。」なんてなフォローがあったが、なんとなく分かる気がする。
あららら、言ってるそばからケンカしてる奴がいるよ。
労働者風の男が道端に寝てる男の額に物を持って殴りかかってるわ。
しょーもない。
ようするに、日雇い労働者とか地方から出稼ぎで来た人とか多いから、うぶな女性なんかはちょっとみると
浮浪者の集まりのように感じちゃうんだろう。
ちょいと周りを見渡すと、一泊1800円とかいう宿泊施設がそこかしこにある。
「なにも部屋に泊まらせてくれって言ってんじゃねえ。廊下や納戸をちょっと貸してくれればいいんだ。」
なんて話を持ちかけると
「ちょいと待ちなよ。タダとは言ってないよ。納戸は100円。廊下はまあ50円てところかねえ。」
などと、返してくるのだろうか?
なるほど、ここはドヤ街だ。
外から見ると、普通の人とホームレスの境界が非常に曖昧に思える、ちょいと不思議な地域ではある。
でもこういうところに住む人の方が、逆にある一線から、明確な境界を引いてたりするんだろうなあ・・。
目当ての食堂はアーケードを抜けたすぐ近くにありました。
ここですな。きっと。
でも、のれんが仕舞ってるんだけど・・・。
おーばちゃん。メシ食いたいんだけど。
え?店が開くのは5時から。朝は九時で終わり?(つーか朝やってんだ。)
まいったな、ピンと来たのに・・・。
しょーがない。違う店に入ろう。
たしかアーケードの前の通りにいい感じの天ぷら屋があったな。行列が出来てたけど。
うわッ、まだ並んでるよ。くだらねー。
おッ、となりにも良さそうな店があるゾ。
こちらも非常に良い雰囲気が漂う馬肉料理屋さんだ。
ランチ1600円。ほうほう・・。
馬鍋の他、馬刺しとタルタルステーキが付いてる。ほうほう・・。
馬肉ってのが、いかにもドヤ街らしい(差別発言)。
ここだ。
ここに決定だ。
店は外見どおりの古い造りで、中も板の間になってる。
いいじゃん、いいじゃん。
料理がうまそうだと飲まにゃあ損みたいに思えてしまう酒飲みの習性。
ついつい昼からビールをカッくらう。
うッ、馬ッ、馬ッ、馬すぎる〜!(ヘーイ!オレ様、ナイスギャ〜グ!ナイス駄洒落!)
馬刺し、旨し。
タルタルステーキ(ようするに馬肉のユッケ)旨し。
ビールを飲み終えたころ、ご飯とみそ汁を持ってくる仲居さんのタイミング、ベリッグ〜♪
馬肉は締りがあって、野趣溢るる風味がすこぶる美味であったよ。
今度は、夜きてえなあ〜。
今回、件の店では食べられなかったが、こういう食事こそ、魂的には「孤独のグルメ」のマンガ飯を味わったって
ことになるのだと思う。
家路につきながら、ボクは得体の知れない奇妙な満足感を感じていた。
なんてな風にキレイにまとめて終われる程、ボクは人間が出来てないんで。
次回こそ、山谷地区の豚肉いためライスに挑むナリ。
というわけで、愚行はまだ続く