これまでのイチオシ(2002/3/21〜)

 

2002/3/21

雑   誌:月刊ガンダムエース
『カミーユとファの非日常劇場』が面白かった。密度が高い。

コミックス:榎本俊二著『しりモモSHAKE』
「覇王」、「覇王マガジン」、「Web連載」の全てを網羅した完璧版。1,900円は少々高いが、ファンなら絶対に満足するのでけして高くない。

 

2002/3/28

雑   誌:近代麻雀
何はともあれ『牌賊!オカルティ』は読んでおくべき傑作。最近近代麻雀系は本誌以外面白くないのでがんばって欲しい。

コミックス:尾田栄一郎著『ONE PEACE』23巻
アラバスタ篇の完結篇。読者の期待を裏切らないストーリー展開と、演出、構成、作画力で、その読者の期待する以上のものを作り上げる総合力。間違いなく今一番油がのってる作品であり、21世紀最初の「少年漫画」代表作といえる。雑誌掲載時に一度ジンときたのに、このコミックスでまた泣いてしまいました。

 

2002/4/4

雑   誌:アフタヌーン シーズン増刊
次号から隔月刊化だそうだが、現在のクオリティが維持出来ないのなら無理にそうする意味はない。特に、お気に入りである田丸浩史は遅筆で有名だから心配だ。

コミックス:片山まさゆき著『牌賊!オカルティ』4巻
麻雀漫画には、麻雀を知らなくても面白い漫画と麻雀を知らないと何がなんだかさっぱりわからない漫画がある。本作は言うまでもなく後者。だが、麻雀を知っていれば間違いなく面白い。

 

2002/4/11

雑   誌:コミックビーム
はっきり言って雑誌の柱である二作品を、同時に終了させてでも、作者の意向及び体調を優先したO村編集著を自分は支持します。正直売れる漫画雑誌作りのノウハウというのは存在すると思う。しかし、そればかりを優先しすぎたため現状のようになってしまったということをもう一度漫画業界は考慮すべきでしょう。

コミックス:松江名俊著『史上最強の弟子 戦え!梁山泊』5巻
今週から週刊少年サンデーで始まった『史上最強の弟子ケンイチ』のもととなる作品の最終巻。自分は主人公のケンイチのキャラが結構好きなんですが、ちょっと好みは分かれるかも。

 

2002/4/18

雑   誌:週刊少年サンデー
椎名高志の新連載に期待する意味もこめて、サンデーがイチオシ。正直サンデーは週刊少年4誌の中で一番休載が少なく、安心できます。

コミックス:『菜々子さん的な日常』2巻 瓦敬介著
この漫画は成人指定です。ですが内容的にはSEXシーンなどひとつもありません。全て「オイロケ」の範疇です。これが成人指定なら週刊少年マガジンの連載陣のほとんどが成人指定になっちゃいますよ。とにかくキャラが良いです!買いづらいでしょうが一度読んでみてください。損はしません。

そ の 他:『ここがヘンだよ!空想科学読本』 山本弘著
センスも、作品に対する愛情もない「空想科学読本」シリーズが一日でも早く、完結、もしくは製作態度を改めるよう、この本が売れることを望みます。正直内容的には少々くどいのですが。

 

2002/4/25

雑   誌:まんがライフオリジナル アニマル増刊
本誌連載陣による動物についての描き下ろし漫画は今後コミックス等に収録される可能性が低いので買っておいたほうがいいでしょう。

コミックス:『ヒミズ』3巻 古谷実著
現代という時代は誰もがこのようになってしまう可能性を持っている。焦燥感、飢餓感、そして絶望。とにかくすごい漫画です。これをやってしまったあと、古谷実は漫画家としてやっていけるのでしょうか。心配です。

 

 

2002/5/2

雑   誌:ビックコミックスピリッツ増刊 山田5号
大好きだったこの増刊が諸般の事情によりこの5号をもって廃刊とのこと。連載陣はどんな形でも良いから残して欲しい。

コミックス:『マフィアとルアー』、『宇宙賃貸サルガッ荘』1巻 TAGRO 著
めったに出ないTAGROのコミックスが今週は一度に2冊も出たのでこの際まとめてイチオシだ。前者はヤングキングOursに掲載された作品と同人誌作品を収録した短編集(でも発売はスタジオDNA)、後者はGファンタジーで連載中のほのぼのSF。ライトなファンには後者、コアなファンには前者がオススメかな。

 

 

2002/6/28

コミックス:『ラブやん』1巻  田丸浩史 著

モロモロ日記でも掲載誌が発売されるたびに取り上げていた本作がやっと単行本化されました。本編もさることながら、あとがきが面白いです。

そ の 他:『エイリアン黒死帝国』上巻  菊地秀行 著

前巻は10年間があきましたが、今回は2年で新刊が出ました。表紙及び挿絵が天野義孝から柴田昌弘に変わっています。
で、内容ですが、シリーズ最悪だった前巻とはうって変わってハイスピード&ハイテンション。新レギュラーも登場し、実に面白いです。あとは魔人国のようにだらだらと長くならないことを祈るだけです。

 

 

2002/7/4

雑   誌:『トラマガ』
詳細はモロモロ日記6月28日部分をご覧下さい。「ゲームセンターあらしA」最高です。

コミックス:『マチルダ仮面』2巻 ヒラマツミノル 著
この漫画はコミックス1冊分原稿が溜まると連載を中断し、コミックスが出ることが決定すると連載再開するなあ。面白いんだからもう少し読者のことを考えてほしい。

そ の 他:『7人ライダー決戦魂』 同人誌 作者:松本健二 発行日:99年5月3日
ずいぶん前の本ですが、購入したのが今週なのでご紹介を。
「仮面ライダーストロンガー」のデルザー軍団編についての同人誌で、ストーリー紹介のほか、コミカライズ紹介、当時の新聞記事の採録、さらには平山亨プロデューサー(当時)へのインタビューなど、同人誌とは思えない程の内容の充実さ、また資料的価値の高さです。秋葉原「虎の穴」新刊同人誌コーナーで購入できますので、興味のある方はインカムにご協力ください。定価は1,000円です。

 

 

2002/7/12

雑   誌:『週刊少年ジャンプ』
「HUNTER×HUNTER」再開祝いということで今週のイチオシはジャンプ。やっぱり面白いわ。

コミックス:『ORANGE』4巻 能田達規 著
現在各誌ともワールドカップに当てこんでサッカーマンガが花盛りだが、自分はこの作品が一番面白いと思う。ムサシがオレンジ入団の真相を明かす話がお気に入りです。

 

2002/8/5

雑   誌:『ガンダムエース』
「ガンダム ジ・オリジン」はいよいよマチルダさん登場。
ようやく安彦さんもガンダムキャラ描きなれてきた感じ(笑)で画面が良くなり面白いです。

コミックス:『BAT DAYS』全1巻 徳光康之著
マガジングレートでの連載ということですが自分はこのコミックスで存在を初めて知りました。
オタクネタに頼らなくても面白い漫画描けるじゃないですか。

 

2002/8/13
コミックス:『神罰』全1巻 田中圭一 著
手塚治虫の絵柄で下品なマンガを描くというコンセプトで描かれた作品集。
まず、『神罰』というタイトルと表紙、それに帯の文句で笑わせてくれる。
帯は手塚夫人のコメントらしいのだがマジか?

そ の 他:『宇宙へのパスポート』 笹本祐一 著
「エリアル」の作者である笹本氏が99年から01年にかけて見学したロケット打ち上げ現場の日記風レポート。
種子島宇宙センターのH−U8号機、H−UA初号機、ヒューストン宇宙基地のスペースシャトル、ギアガ宇宙基地のアリアンX型を紹介しています。
民間人の小説家ならではの文章の上手さと視点の面白さ。さらに実際に行かないとわからない裏話満載(食事についてとか土産物についてとか)。
また、取材旅行の同行者でもあるあさりよしとおや豊島ゆーさくの挿絵もポイント高いです。

 

 

2002/9/3
雑   誌:『コミック伝説マガジン』

残念ながら今号が休刊号。
年末に形式を変えて、現在連載中の作品だけは何とか発表するそうだが、自分は今の形式が大好きだっただけに非常に残念です。休刊号の特集は野球漫画。
寺田ヒロオ、石森章太郎、一峰大二の作品が掲載されており、特に寺田作品はきちんと1話丸ごとは初めて読んだのだが、その出来のよさに驚いた。
ところで、吉沢やすみは休刊号だというのに同誌第5号の再録。

コミックス:『ハチミツとクローバー』 羽海野ミカ 著
以前B6版で1巻だけ出て、しばらくそのままだった作品が、新書版で再発売(1,2巻同時発売)。
非常に嬉しい。芸大の新入生で体も心もちっちゃい(幼い)チカちゃんと、その周りの男どもの物語。
ギャグとシリアスのバランス感覚が素晴らしい。

 

2002/9/19
雑   誌:『ビックコミック 増刊』

今号は読み切りとギャグに力を入れているようで、小坂俊史が4コマを描いています。
コミックスのほうのイチオシとあわせてどうぞ。

コミックス:『月刊フリップ編集日記』2巻、『先生になれません』2巻 小坂俊史 著
2冊同時発売。どちらも面白いのですが、漫画好きという立場から言うとフリップのほうが
若干オススメでしょうか。


2002/9/30
雑   誌:『ヤングアニマル』

ももいろシスターズ最終回。
「ホーリーランド」、「蛮勇引力」はコミックスも発売され、クライマックス間近。
あと、短期集中連載が前回で終ったはずなのになぜか今号も載っている「みたむらくん」。
テイストは稲中卓球部に似てるけど面白いです。

コミックス:『ホーリーランド』4巻 森恒二 著
『蛮勇引力』3巻 山口貴由 著

ホーリーランドは今一番のオススメ。そのうちレビュー書きます。
蛮勇引力は以前言った3巻では終らなかったけれど面白いです。
神機力に97%犯された正雪(ハムスター)を殺そうとする丸亀に対し、「まだ3%は正雪なんだ」という少年。
その態度に対する丸亀の「わかってるじゃねーか、坊主」がイカス。



2002/10/20

雑   誌:『トラマガ』第2号
「ゲームセンターあらし」に続いて「とどろけ!一番」が登場。これらの作者のすがやみつる氏、のむらしんぼ氏、それに第3号で登場予定の「釣りバカ大将」の作者の桜多吾作氏の3氏による座談会も充実。さらに原作どおり仲間を15人にしたコミック版「ガンバの冒険」が連載開始。キャラクターデザインがアニメのガンバのキャラデザを手がけた人というのが感涙物です。

コミックス:『みんなはどう?メガキューブ』1巻 G−ヒコロウ 著
流浪の漫画「みんなはどう?」の2冊目にあたる「メガキューブ」がやっと発行。1冊目を発行した出版社は潰れるは、移籍して連載を開始した雑誌は休刊するは、はては5ヶ月連続休載という漫画史に残る偉業を達成しております。テンポがいい…というよりテンポのみを優先し、意味を超越したネームは一度はまると癖になります。


2002/11/20
雑   誌:『1970』 第1号
1970年に発表された読み切り及び連載開始された作品の第1回目を収録した雑誌。
コンセプトは面白いのですが、描き下ろしのエッセイ漫画等はやめてその年に連載が終了した作品の最終回を掲載した方がその年に漫画界で起こった事という意味で徹底できるのではないでしょうか。
今号の掲載作品は「アトムの最後」(読み切り)、「ダメおやじ」(第1回)、「銭ゲバ」(第1回)等です。

コミックス:『宅配ビンちゃん』全1巻 Moo.念平 著
発売元はリイド社なのですが、初出一覧が載っていないのでなんという雑誌に掲載された漫画なのかわかりません。
内容的にはどう見ても小学館の学年誌なのですが…。なんと言うか、久しぶりにいいもの読ませてもらったという感じの作品。
ボンボンよりコロコロが好きだった方にオススメです。

そ の 他:『エイリアン黒死帝国』下巻 菊地秀行 著
待望の下巻がついに発売。5ヶ月焦らしに焦らされたという感じです。
内容的にはもうちょっと書き込んでもいいのでは、と思うキャラやシュチエーションも有りましたが概ね納得の行く出来です。
これなら新刊及び新キャラの鳴神譲を主人公にした番外編も期待できそう。



2002/12/27
雑   誌:『トラマガ』第3号
前号の予告どおり「釣りバカ大将」復活。「ゲームセンターあらし」、「とどろけ!一番」とあわせて別冊付録にするところなんか本当にこの雑誌の編集部は良くわかってますねえ。
更に今号からの新連載は「ジャイアント・ロボ ジ・アニメーション エピソードゼロ」。OVAで人気を博したアニメ版ジャイアント・ロボの第1話以前の物語です。
こちらもガンバ同様キャラクターデザインはアニメ版のキャラデザをした人に新たに描き下ろしてもらっています。
更に作画担当は、熱いロボットモノを描かせたらピカイチの富士原良幸。次回も目が話せません。

コミックス:『最近のヒロシ』全1巻 田丸浩史 著
このホームページでも何度も取り上げている「アルプス伝説」、「ラブやん」等の作者、田丸浩史のダメダメ日記漫画。
これほどまでに女性の登場率の低い日記漫画初めて読みました。
何しろ作者の母親と姉、友人ジョニーの母親鹿でてこないんですから。
まあ、漢らしいと言えば言えるかもしれませんが…



2003/1/28
雑   誌:『ガンダムエース』3月号
前号から隔月刊化された本誌ですが、クオリティは下がっておらずまずは一安心。
「ガンダム ジ・オリジン」はランバ・ラル登場。かっこよすぎます。
はっきり言ってシャアよりかっこいい。
また、ハモンさんも色っぽくていいです。
「アリオン」とか「ヴィナス戦記」とかやっていた頃の安彦さんは若い女性が上手かったんですよ、清々しくて。
でも今ははっきり逆。フラウやセイラさん描いても色気が出過ぎちゃって。
これは安彦さんの変化か、それとも俺が年をとったのか
(多分両方)
ジジイだからさ・・・。 管理人:注 )

コミックス:『クロノアイズ グランサー』1巻 長谷川裕一 著

マガジンZ連載。歴史に干渉する者を監視する「クロノアイズ」(ぶっちゃけた話タイムパトロール)の活躍を描く新シリーズ。
この1巻ではコミケが世界平和に重要な役割を果たし、その未来を良しとしない連中が1980年のコミケを中止させようとする話がお気に入り。



2003/2/17
雑   誌:『週刊コミックモーニング』
今週号は読み切り2本を含め、妙に面白かったのでモーニングがイチオシ。
「サトラレ」の作者である佐藤マコトの読み切り『箱入り娘』。サトラレ同様ライトSF。
コミック新人賞受賞作『リーマン・スカイハイ』(作:渡辺大樹)はよくある話ではありますが上手く纏めているし、絵も好みです。
また、『大使閣下の料理人』は今最も注目を集める国の実態を料理を通して描きます。
更に『よしえサンち』は特別編、南紀白浜温泉レポート。
ああ、これであと「えの素」さえ掲載されていれば言うことないのですが。


コミックス:『苺ましまろ』1巻 ばらスィー 著
これ、管理人なんか表紙見ただけで「もう、いいや」というでしょう、多分。
確かに読み始めるまでのハードルが一般人には異常に高いでしょうね。しかし、ある人たちにとってはこの作品を読む際のハードルなんて存在しないんですね。これが。
だからなんだといわれても困るが…。とにかくこういう漫画もあるってことで。




2003/2/28
雑   誌:『チャンピオンRED 3月号』
予告を見てかなり期待していた『プラレス3四郎』の続編が登場。第1話、主人公はあまり出さず、脇役たちをまず印象付けておいて、プラレスの現状と主人公が何故部屋に閉じこもっているかをビデオを見るという形で紹介。
20年近くたってもあまり作風も絵も変わらないのには驚いた。
ところで、続編の第1話の見せ方としては、前作のキャラを初めにどーんと見せてしまうか、逆に最初は全然見せずに徐々に出していくかのどちらかが常套手段だと思うが、本作はイマイチ…というかかなりの減点。
理由は3四郎に次ぐ人気キャラである成田クンを解説というほぼ完全な脇役で早くも出してしまっているため。
ああいう役こそ「プラキット竜」とか「笹本」とか前作でも脇だったキャラがやったほうがファンは喜ぶのに。
まあ、2、3話様子見でしょう。その他では「魔獣戦線」がやはり面白い。
「聖闘士星矢 Gの伝説」は著者の岡崎芽依には悪いがやっぱりイメージが違う。


コミックス:『DINO』1巻 所十三 著
「名門!多古西応援団」や「特攻(ブッコミ)の拓」ですっかりヤンキーモノの大家となった著者ですが、実は大の恐竜マニアなのだそうです(以前描き下ろしで史上初の恐竜イグアノドンの発見者の伝記を描いています)。
本作はコミックモーニングで不定期に掲載されている恐竜が主役の連作で、最新の恐竜学やさほど根拠を持たない噂、発想の類まで含めて実に多くの情報を含んだ最新の恐竜象は改めて知的好奇心を刺激してくれます。
自分は雑誌掲載時から注目していたのですが、単行本は著者自らによる解説頁も実に充実しており、恐竜好きなら絶対のお買い得です。
オススメ。




2003/3/4
『機動戦士ガンダム』全1巻 岡崎優 著
コンビニ売りの廉価版コミックスはどんどんマニアックな方向に進んでいますが、岡崎優版のガンダムまで出ました。
この作品、知る人ぞ知る珍品なのです。
1979年のガンダム本放送時のコミカライズなので、この作品が今までのロボットアニメとは違う代物だということを作者がよく知らずに連載を始めたためにダイナミック系とか東映系のノリで描かれているのです。その異様な世界は一見の価値はあります(2度見る必要はないかもしれませんが…)。
ただ、表紙に「幻の冒険王版を完全再現」と書いてありますが、実はこれ正しくありません。この単行本は4〜5年前に再版された修正版の再再販なのです。
では具体的にどこが違うかというとガルマの国葬の際のギレンの演説を聞いたアムロが
怒りのあまりモニターを拳で破壊するシーンがカットされているんですね。
あの幻の名シーンが再び見れるかと思い買ったのですが、実に残念です。




2003/4/15
雑   誌:『ビッグコミック 4月25日号』
2003年4月7日はご存知のとおり、鉄腕アトムの誕生日だったのですが、それを記念して岡崎二郎が読み切りで鉄腕アトムを描いています。
未来世界を描いているにもかかわらず、実際のロボット工学は殆ど無視していた元祖アトムに対して、最新のコンピュータ知識を取り入れ、岡崎二郎らしいアトムに仕上がっています。
単発読み切りなのでコミックスに収録される可能性はかなり薄いと思いますので読んでおいて損はないと思いますよ。


雑   誌:『GUNDAM A 増刊号』
完全月刊化に向けて、現在の隔月の抜けた月を埋める増刊号です。とはいえ、安彦良和の筆による左遷されたシャアがキシリアに拾われるエピソードを描いた番外編など読みごたえ充分。
しかし、それにもまして必見なのはおそらく締め切りギリギリに飛び込んできたのではないかと思われる井上遥さんの追悼特集ですね。
とくに、古谷徹氏と池田秀一氏のコメントは泣けました。




2003/5/9
コミックス:『金魚屋古書店出納帖』1巻 芳崎せいむ 著
昭和30〜40年代ぐらいの古本漫画とそれに関わる人たちを描いた連作。
内容的には漫画古書を題材にした「ザ・シェフ」や「BARレモンハート」という感じなのですが、題材が題材なだけに自分が読むと面白いと思う部分も違うと思う部分も増幅されたようです。
普通の方が読めば普通に面白いと思います。
それと読後の正直な感想は「こんな店があればなあ」ではなく「こんな店があれば苦労しねーよ。と言うか、無いからこそ今まで俺は20年以上苦労してきたんじゃね−か」でした。




2003/5/26
コミックス:『ウィルティモ・スーパースター』1巻 須田信太郎 著
プロレス専門誌にも載らないような超マイナープロレス団体「ルチャ・プロレス」とそのエースレスラー「ウィルティモ・スーパースター」の活躍を描く。最近の格闘技路線とは一味違う、古きよき時代のプロレスの香り漂う傑作。
これはプロレスに対する1つの解答です。
これに関しては異論もおありだと思いますのでご意見お持ちいたします。



その他:『手塚治虫 カヴァー』タナトス編、エロス編 (小説)
手塚治虫の様々な作品を小説で描いたリスペクト集。
正直作者は山田正紀を除くと初見の方ばかりですが、各章の扉イラストは安彦良和、村田連爾、あさりよしとお、開田裕二、羽海野チカなどメチャクチャ豪華です。
また、タナトス編にはコミックス初収録となる手塚治虫本人の「火の鳥 COM版」、エロス編には唐沢なをき著の「鳥人大系」が掲載されています。
店頭で手にとって気に入ったらどうぞ。





2003/7/22
コミックス:『メカゴジラ狂時代』 西川伸司 著

平成、ミレニアムゴジラシリーズのデザイナーである著者がゴジラ映画の裏側を描く。
今回は02年に公開された「ゴジラ×メカゴジラ」をメインに、海外で活躍する日本人特撮系アーティストのエピソードも掲載されています。
個人的には(ゴジラ映画については)1ファンでしかなかった著者が製作する側に関わることになるきっかけを描いた『ゴジラ狂時代』の方がオススメですが、併せて読んでみてください。
ただし、この漫画が面白かったからといって「ゴジラvsスペースゴジラ」、「ゴジラvsデストロイヤ」、「ゴジラ2000」等を見たりしないように。
騙されますから。


雑  誌:『まんがライフMOMO』8月号(創刊号) 竹書房
竹書房の4コマ専門誌に5冊目が加わりました。「まんがくらぶ」の私屋カヲル、「まんがライフ」の丹沢恵、「まんがくらぶオリジナル」の浅野りんりん、「まんがライフオリジナル」の秋月りす等メインの作家はかぶらないようにしていますが、その分2,3番手の作家が多く描いており、ある意味いいとこ取りの雑誌となっています。
創刊から何ヶ月かはゲストも豊富ですので買っておいて損はないと思います。
ちなみに自分のオススメは小坂俊史の「サイダースエピソードゼロ」と真右衛門の格闘技漫画(4コマ誌なのに)。




2003/7/29
今月は、以前このコーナーで紹介した作品の続巻が多数発行されていますのでまとめて紹介しましょう。
『クロノアイズ グランサー』2巻 長谷川裕一 著
本年度の星雲賞(SFファンが年に1度のSF大会において投票で決定する本当に人気があったSF作品)漫画部門受賞作です。おめでとうございます。

『苺ましまろ』2巻 ばらスィー 著
まあ、これは1巻の感想同様、お好きな人だけということで。

『DINO』2巻 所十三 著
コギャル語をしゃべる翼竜がかわいい。

『ラブやん』2巻 田丸浩史 著
月刊化によって少々パワーダウンか。まだまだ面白いことは面白いのですが。
ところで掲載誌のアフタヌーンの広告で「コミックス第3巻絶賛発売中」とおもいっきり誤植されています。
これは作者のせいでは無いのですが、なんとなくこういうところも田丸浩史らしいなと。

これは新規のオススメです。
『重甲ビーファイター+ビーファイターカブト』 全1巻  Moo.念平 著
今は無き徳間書店発行の月刊テレビランドで連載されていたコミカライズの単行本化。
完全に諦めていただけにメチャクチャ嬉しいです。
出版元は主にゲーム4コマなどをだしているスタジオDNA。
ここは今度、掲載誌の休刊により中断されている長谷川裕一の「忍闘 炎伝」も再版するそうですが、今後もこういう作品の再版がなされるよう期待しています。
例えば、池原しげとの「サンダーマスク」とか「ミラクル少女リミットちゃん」とか内山まもるの「超電磁ロボ コン・バトラーV」とか「ザ・ウルトラマン」のてんとう虫コミックス未収録部分とかコミカライズじゃないけど「燃えろ!クロパン」とか成井紀郎の「ダイアクロン」とか「11人ライダー決戦史」とか「秘密指令0059」とかあだち充の「レインボーマン」とかこれもコミカライズじゃないけど「牙戦」とか石川賢の学年誌版「ウルトラマンA」と「ウルトラマンタロウ」とか…ブー、ガガー、ピピー





2003/9/4
『先生がいっぱい』1巻 安田弘之 著 小学館 ビックコミックス 掲載誌:ビックコミックスペリオール
あのヒット作「ショムニ」の作者 安田弘之の久々のメジャー連載作です。
自分はこの作者は現在数少ない「漫画マニア」と「一般ファン」両方を満足させることができる作家だと思っています。
というか「ショムニ」の頃からそう思っていたのですが、「ショムニ」以降マイナー且つマニア向けな作品しか描かれていなかったので、この作品でのメジャー復活は非常に嬉しいです。久々に無条件でオススメ。



2003/10/16
『ビジネスジャンプ』22号 発行:集英社

尾玉なみえ 著
『アイドル地獄変』 堂々の完結。
雑誌のカラーも主購買層も全く考慮せず、自分の信じる物だけを描く。尾玉さん、あんた本物の(おとこ)だ!
なお、コミックスは12月発売予定。





2003/11/7
『ウルトラQ』1巻 藤原カムイ 著 小学館 カドカワコミックスA 掲載誌:NEWTYPE the LIVE
永遠の名作「ウルトラQ」を藤原カムイが漫画化。第1巻には「ペギラがきた」、「2020年の挑戦」、「地底超特急西へ」の3話を収録。
しかし、本当にこの人、絵が上手いなあ。今まで特撮物のLDやDVDのジャケットというと開田裕二がほぼ独占状態だったけど、一度藤原カムイにも描いてみて貰いたいです。
ところで角川は月刊の「GUNDAM A」、増刊の「エヴァ A」に続いて、特撮アンソロジー専門雑誌「特撮 A」を11月末に創刊するそうです。
今まで何度か他の出版社が挑戦しては失敗しているジャンルなだけにまずは様子見というところでしょうか。





2003/12/9
『特撮エース』第1号 角川書店

発売して少々間が開いてしまいましたが、新創刊した特撮エースの紹介です。
まず目を引くのがその厚さ。付録としてバルタン星人のフィギィアが付いているためですが、このフィギィア、最近の「小さくて精密」な食玩を見ていると大きすぎて間延びして見えます。
ビルの看板に「特撮エース」とあるのも寒いですねえ。この手のジョークをやるなら看板は『角川書店』にしなくちゃ。
本誌の内容ですが、連載は高田裕三の
「ウルトラマン the First」、伊藤伸平の「キューティーハニー」、MEIMUの「イナズマン対キカイダー」は連載なのかな?。
それと読み切りでこの夏劇場公開した
「爆竜戦隊アバレンジャー アバレサマーはキンキン中」の外伝とフジ隊員役の桜井浩子氏が原案を担当してウルトラマンの舞台裏を描いた漫画。計5本。
5本のうち2本が初代ウルトラマンというのはちょっと偏りすぎ。角川書店が劇場版「キューティハニー」のバックアップをしているため、ハニーの連載は外せないとしても、ウルトラで1本、ライダーで1本、戦隊で1本の連載。
それにゴジラ、ガメラ、メタルヒーロー、不思議コメディ、東映・円谷以外が作成した特撮から読み切りで3本ぐらいは欲しいところです。
それにはちょっと本自体が薄すぎまず。次号もおまけがつくようですが、この辺考えてもらえないでしょうか?




2003/12/24
『アイドル地獄変』全1巻 児玉なみえ 著 小学館 ヤングジャンプコミックスBJ

このコーナーで再三再四取り上げてきた本作がついに単行本化。描き下ろし付録はアイドル地獄変カルタ。個人的に一番笑わせてもらったのはカバー折り返しの作者のコメントです。この人、自分の作品に対して、常人では理解しがたいほどの自信を持っていますなあ。異形のものを作り出す真の意味でのクリエイターというのはこうでなくてはいけない。次回作の連載も決定しているようで楽しみです。なお、集英社のホームページでも別枠で特集しています。アドレスはこちら
http://bj.shueisha.co.jp/contents/comic/sp/idol/



2004/1/13
『神は沈黙せず』 山本弘 著 角川書店 (小説)
最近では「と学会」会長の肩書きの方が有名になってしまった感がある、山本弘氏の完全書き下ろしSF小説。「俺の本業はこっちだ」といわんばかりの力作です。
近い過去(92年)に実際に起こった自然災害から場面は始まり、主人公を通して現在、そして近未来が描かれています。超常現象とはなにか、宗教とは、神とは。
特に超常現象については作者の膨大な資料から実例が挙げられ、物語に厚みが与えられています。
トンデモ本ファンにもオススメ。

『ミクロマン 完全版』全3巻 森藤よしひろ 著 太田出版
太田出版がまたまたやってくれました。テレビマガジンで連載していた、元祖メディアミックス漫画「ミクロマン」の完全版が登場です。
特に3巻は旧版のコミックスに収録されていたのは最初の1話のみ。残りは全て単行本初収録(400頁以上!!)。
更に、テレビマガジン増刊として発売された「ミクロマン百科」に収録されていた読み切りや、漫画連載終了後に掲載された「ミクロマンニュース」まで収録されてまさに完全版です。

個人的には「『地球がαH7ガスに包まれてミクロ化してしまう』というショッキングな展開があったはずだがなあ」と思っていたのですが、それが記憶違いでは無く、ミクロマンニュースでの設定だったなど、幼少時の記憶の再確認が出来て非常に有意義でした。
さあ、次は成井紀郎の『ダイアクロン』だ。




2004/1/26
『シグルイ』1巻 山口貴由 著  南条範夫 原作  秋田書店
山口貴由のスプラッター時代劇第1巻ついに発売。
暴君であったとの資料が残る徳川忠長が行った駿河御前試合。その模様から物語は始まる。
残酷描写、さらに隻腕、盲目の剣士(最近ではこちらの方が出版の際にはヤバソウ)で、単行本化が心配された本作ですが、無事発売されました。秋田書店と山口貴由に乾杯!
なお、タイトルの「シグルイ」は「死狂い」の意でした。気付きませんでした。


2004/2/9
『ポクリ』1巻 中川いさみ 著  角川書店

中川いさみと吉田戦車、それにいしいひさいちはマイフェイバレット4コマ漫画家なので今まで特別紹介することはなったのですが、この作品は少々毛色が違うのでご紹介を。
ポクリというのは主人公の名前。これはポクリ少年が現実世界とちょっとばかり違う世界での日常を描いた物語です。
簡単に言うと異世界版『クレヨンしんちゃん』か『ちびまる子ちゃん』だと思ってくれればいいと思います。
でも何気に書いたけどこれって凄いことですよ。何しろだいぶ現実世界に近いとはいえ異世界ですから。
世界を丸ごと建造しているといっても過言ではありません。で、個人的にはこれが大変に面白い。でもダメな人には全々ダメ…というより理解すら出来ないでしょう。
万人にはとてもオススメできません。
「読んでみるか、暇だからな。」と思った人だけ読んでみてください。はまったら抜け出せない魅力があります。いやホント。

 

2004/3/17
『団地ともお』1巻 & 『男ロワイヤル』 小田扉 著  小学館 & 太田出版
大好きな小田扉のメジャー化第1歩といえるビックコミックスピリッツ連載中の「団地ともお」1巻とマイナー系の短期連載作品を集めた(こういうのは下手すると短編集より出にくいので非常に嬉しい)「男ロワイヤル」が2月に発売されました。
前者はタイトル通り団地に住む少年ともおとその家族や友達の物語。
小学生の馬鹿さ具合を描いた作品としては屈指の出来といえます。そう、小学生というのは成績の善し悪しとかとは別の次元で馬鹿なんですよねえ。
一方後者は…えーと説明がしにくいな。小田扉の変な世界が充満した作品集です。
個人的なお気に入りはパソコン誌で連載されたという「エレクトロねえちゃん」。
この世界ではパソコンが動物なんですよ。動物型の機械ではなくまるっきり生身の動物。
この変さは実際に読んで頂かないとわからないです。





2004/3/25
『チャッピーと愉快な下僕ども 大型増補版』 ながいけん 著  太田出版

出版元を太田出版に移したふぁんろーどのコミックス第1弾。
旧版では掲載されていなかった読み切りや『神聖 モテモテ王国』連載開始後に掲載された「サンデー没ネーム救済漫画シリーズ」も収録された増補版です。
とはいえ、まだこれでも未収録作品が有るんですよね。
それとタイトルとカバーの絵が旧版のままなのもさびしいかぎり。できればカバーは描き下ろしでタイトルも『じょじょのさんかん』とかにしてほしかった。いや、今なら『わんぴーすのしんかん』と『すてぃーるぼーるらんのいっかん』とかかな。
なにはともあれ、モテモテYSに続く閣下の復活に愚民どもは心より涙しつつ、一人10冊は購入するように。ジーク・ナオン!



2004/4/8
雑 誌:『ビックコミックオリジナル』 第8号 小学館

地味な漫画を描かせたら日本一の浦沢直樹。本誌では2003年のアトム誕生日に合わせて昨年から連載を開始した『PLUTO』を連載中(2号に1度掲載の月一連載)。
今号ではついに真の主役たるアトム登場。地味に盛り上がっております。
その他、『イリヤッド』 アトランティスの謎に迫り、海外を飛び回っていましたが、今回はなぜか日本に戻り、(息抜きのような)1話完結の話。
黄昏流星群』 浦沢直樹がどんな派手な話でもなんとなく地味なのに対して、弘兼憲史はどんな地味な話でも派手に感じるなあ(俺だけ?)。
今回は40年間文通だけでつながっていた男性と夫に先立たれた女性の話の完結編。男性の女房が出てきて修羅場になるかと思いきや実に鮮やかにすっきりと終わらせてくれました。やっぱり上手いわ。
三丁目の夕日』 久々に元祖「夕日町の住民」六さん登場。
いい人がなかなか幸せになれないというのは30年代のドラマの特徴でも有りますなあ。
浮浪雲』 「曲がっているもの」は「曲がっている」と見るのが「真っ直ぐな物の見方」というなかなかにためになるお話。毎回このレベルの話を期待するのは…やっぱり難しいですかね。
風の大地』 沖田、オーガスタに出発。現地でウォーレン、アベル等ライバルと再会。物語中ではドバイでの大会からまだ1ヶ月しかたっていないようですが、同じような気候(例えば同国内)ならともかくこんなにもコンディションが違う大会にたった1ヶ月以内に2度も出場するモンなのでしょうか。
(管理人:タイトなスケジュール・・なるほど、たしかにそう感じるのが普通かもしれない。これでも沖田のスケジュールは一流のツアープロならではといえるゆとりある日程で、大半のツアープロは休んでもせいぜい1週、飛行機で飛んで帰ってすぐ試合なんてことをこなす選手もザラにいます。)
電脳炎』 さすがに今ファミコンでドラクエTクリヤーする奴はいないと思うぞ。ゲームボーイ版出てるし。


雑 誌:『ガンダムA』 5月号 角川書店
ガンダム THE ORIGIN』なんと、ベルファウストを飛び越していきなりジャブローに!
エエエエエッ、ミ、ミハルは。ミハル・ラトキエは?確かにストーリー上必要なエピソードではないし、「機動戦士ガンダムU 哀・戦士編」でもあのエピソードを入れたばっかりに他の部分の尺が足りなくなったとか、まとまりがなくなったとか言われた部分ではあるが、だからこそ安彦さんの筆によるこのエピソードが見たかったのに。うう、ショックでかい。




2004/5/11
『どうにかなる日々』全2巻 志村貴子 著  太田出版
まずは、現在コミックビームで『放浪息子』を連載中の志村貴子の短編集。
恋愛(とSEX)を題材にした短編集ですが、先月完結編である2巻が発売されました。
内容はといいますと、大変エロいです。特に2巻に収録されている、AVにでたことがばれて家に転がり込んできた従兄弟と小学5年生の男の子とその幼なじみの女の子の話は、実際に少女をやってしまうペド漫画よりよっぽどエロいデスね。

『ラブロマ』 2巻 とよ田みのる 著  講談社 アフタヌーンコミックス
続いて、現在月刊アフタヌーンで連載中の本作。
これも最新刊の2巻が先月発売されました。
本作をジャンルで分けるとするならば「ラブコメ」に分類されるのでしょうが、どちらかといえば恋愛ギャグというべきでしょう。
何事にも実直で恋愛慣れしていない星野くんと豪快で男前な根岸さん。そしてそのクラスメートたちの織りなすドタバタ劇なのですが、星野くんの直球な行動も根岸さんのコテコテな対応もクラスメートたちの過剰なノリの良さも「コメディー」という言葉の範疇には収まりません。
というわけでギャグ漫画として読んでもいいですし、恋愛ものとしての部分も実にストレートで気持ちがいいので恋愛ものが好きな方にもおすすめできます。

『ういういdays』 1巻 犬山すくね 著  竹書房 バンブーコミックス
最後は竹書房の4コマ誌「まんがライフオリジナル」で連載中の本作を紹介しましょう。第1巻が先月発売されました。
前2作に比べるとかなり甘ーい、しかも普通の恋愛ものです。ではなぜこの作品を取り上げたかというと、普通の恋愛ものだからです。
いや、ちょっと説明しましょう。この犬山すくねという作家、自分はデビュー当時から注目していたのですが、総じて初期設定に懲りすぎるきらいがあるのです。漫画としてのテクニックや読ませる技術(島本和彦氏のいうところの「漫画力」)は非常に高いと思うのですが、何しろヘンな設定の話が多いため敷居が高いのです。
しかし、本作は掲載誌が掲載誌なためか、ごく普通の高校生のカップルがごくありふれた理由で交際を始め、ごくありふれた友達を巻き込みながらごくありふれた健全な交際を続けていくお話です。でも、それが実に良いのですよ。
今後もこういう話…というより、この連載を長く続けてほしいです。




2004/7/13
『団地ともお』2巻 & 『江豆町』 小田扉 著  小学館 & 太田出版
小田扉のコミックスは出るときは纏めて出ますね。今回はともおの2巻と江豆町が6月末に発売されました。
ともおの方は相変わらずのおもしろさです。一方「江豆町」は架空の町江豆町での人々の暮らしを描く連作なのですが、この町の住民というのがどことなく変なんですよ。他の町から赴任してきた小学校の教師が地図という概念を殆ど持たない江豆町の人々にいらつく話があるのですが、読んでいるとこの教師の方に感情移入してしまいます。
とにかくちょっと変な小田ワールド、興味があれば読んでみて下さい。

季刊『キャラクターモデル』夏号  角川書店
もうかなり入手しづらくなってしまったかもしれませんが(紹介が遅くて申し訳ありません)、キャラクターモデルの夏号が発売中です。
次号から『GUNDAM A』の増刊である 『ガンダムグッツA』と合併されるとのことで、キャラクターモデル名での発売は最後になります。おすすめの理由はこの雑誌で地味に連載していた吉崎観音の『軍曹のガンプラレポート』が1冊の別冊にまとまっているからです(しかも雑誌掲載時と同じオールカラー、嬉しい)。特に静岡のバンダイ工場を見学に行った際のレポートが最高ですね。
「世界征服すら可能であろう科学力をガンプラ制作に注ぐ男たち、後に宇宙世紀、アナハイムと呼ばれることになる工場がここにあった。」の一文には大笑いしてしまいました。


2004/10/19
『決戦!ウルトラ兄弟』 居村眞二 著 大洋出版

ウルトラマンガ総ざらいで「傑作」と紹介した本作が再販されました。
少々値段は張りますが(1,900円)、「決戦!ウルトラ兄弟」の未収録分だけでなく、後年テレビくんで掲載されたファミコン(!!)ソフト「ウルトラマン倶楽部」のコミカライズ(と言っても殆どオリジナル)も収録されており、充実の1冊となっております。
今月中には同じくテレビくんに掲載された「ウルトラマン80」、「ザ・ウルトラマン」等を初収録した作品集も発売されるそうですので、合わせて購入されるのがよろしいかと。




2007/2/8
『となりの801ちゃん』 筆者:小島アジコ 出版元:宙出版
元々はネットで公表されていた1コマ&4コマ漫画。
801ちゃんというのは京都府矢追町のイメージキャラクターだが、いうまでもなく
「やおい」とは漫画やアニメの男性キャラを勝手にカップルにした漫画等のこと
でもあるためネット上では結構評判になっていたらしい。

この漫画では主人公の男性の恋人が腐女子であったことから、「恋人の本性は
801ちゃんでふだんは人間の皮をかぶっている」という設定にしてある。
話は(帯のアオリを信じるならば実話)主人公と801ちゃんのヲタな会話を
そのまま4コマ漫画にしただけのものなのだが、これが面白い。
801ちゃんの人間の皮もかわいいのだが、時より皮を突き破って出てくる
本性がまたかわいいのだ。

正直ヲタでない人には面白いとか何とか言う以前に何が描いてあるのか
全然解らないと思うので自分がヲタだと思う人にだけ読んでほしい

そうそう、で、なぜ冒頭のような話をしたかだが、この本の中にこんな4コマがある。
ボーナスが出た主人公は801ちゃんに本屋で好きな本を買ってあげるという。
すると801ちゃんは興奮しながら両手に本を持ってどちらを買うか真剣に悩むのである。
その光景を見て主人公は「そんなに悩むのなら両方買ってあげるよ。」と言う。
すると801ちゃんは「
バーロイ、買う金はあっても置く場所がねえ。
と答えるのである。




2007/2/13
「極道めし」 著者:土山しげる 出版元:双葉社(アクションコミックス)

今最も熱いスポーツ漫画(!!)、「食いしん坊」の著者土山しげるがまたまたやってくれました。
その名も「極道めし」。

内容は下記のとおり。
刑務所の食事は基本的に麦飯と一汁一菜に決まっているが、例外もある。
それは大晦日の年越し蕎麦と元日のおせち料理である。ある刑務所の大部屋でこのおせちと
他人のおせちの品物を交換する権利をかけて熱い戦いが行われていた。
その戦いとは「今まで自分が食べて美味いと思った食い物の話をして何人が唾を飲み込むか」
というものであった。

この勝負の難しいところは自分が美味いと思ったからといって、他人もそう思うとは限らないところにある。
たとえばあまり一般的とはいえない食い物(ゴーヤーチャンプルーとか)では食べたことがない場合が
多いので票にならない。同じく高級すぎるものもダメ。かといって大衆的でも地方色が強すぎてもダメ
(お好み焼きは自分の好みのものがはっきり分かれているため票がえられなかった)。と言う具合だ。
また、特別ルールとして我慢できずに唾を飲み込んだ以外に本人が納得して票を与える場合もある
(エピソードが気に入った、食べたことはないが食べてみたいという気になった等)。
1巻では参加者の約半数が終わったところまで。果たして勝つのは誰か。




2007/2/16
「築地魚河岸三代目」 著者:はしもとみつお
出版元:小学館(ビッグコミックス)1〜20巻(平成19年1月31日現在)


この漫画に関しましては、以前料理マンガ総ざらいでも取り上げましたが、正直ビッグコミック本誌で
たまに斜め読みするぐらいでそれほど真剣に読んではいませんでした。なぜなら、この漫画基本的に
同じパターンの繰り返しだからです。

基本パターンは下記のとおりです。

@魚に関する問題(変わった魚が欲しい、魚が不味いetc)が持ち込まれる。
Aとりあえず一度回答を出す。
B失敗。
C築地の色々な魚の専門家に意見を聞く。
D正解にたどりつく。
E美味しい魚を食べて一件落着。

これが2話ワンセット、前半でBまで、後半で落ちとなっています。
しかし、毎回このパターンだからといってつまらない訳じゃありません。
魚に関する薀蓄が詰め込まれ、しかもその薀蓄がちゃんと落ちに繋がっています。
毎回毎回このパターンを踏襲しながらよくコミックス20冊も出せるもんだと感心しているぐらいです。

とはいえ、コミックスを買うほどではないなと思っていたのですが、今回20巻に収録されている
「山の河豚」の回を本誌で読んで、ひとしきり感心。全巻そろえてしまいました。

この「山の河豚」というのがどういう話かといいますとあらすじは下記のとおり。

主人公の旬太郎は築地の仲卸「魚辰」の三代目。ある日、魚辰の従業員で女房が居酒屋を
営んでいる英二から店で河豚を出したいが天然のとらふぐにこだわりたいと相談を受け、
築地の河豚専門店の知り合いに話をする。すると見事なとらふぐをしかも格安で卸して貰える事になった。
ただし、そのとらふぐは訳有りとのこと。実はそのとらふぐは養殖だったのだ。
自分の目利きに自信を持っている英二はショックを受ける。
旬太郎は養殖業者に話しを聞き興味を持ち英二とともに養殖場を訪れるのだった。

さて、その養殖場とは…これは実際に漫画を読んでください。

この養殖場は一部フィクションにしてありますが、実在します。そのユニークさから何度かテレビ等にも
取り上げられていますので御存知の方も多いかと思います。
この話で自分が感心したのは話のわかり易さです。日本の漁業、養殖業の問題点、世界の漁業の
現状等がわかりやすく説明された上で新しい養殖のやり方が紹介されています(テレビでももちろん
この点にも触れていますがわかり易さという点では何度でも読み直せる漫画の比ではありません)。

ただし、この新しい養殖、いいことばかりじゃないのは素人である自分でもわかります(明らかにコストが
かかりすぎるため河豚等の高級魚でないと採算が取れない、現在の養殖のメインであるはまち、平目など
大型魚だと更にコストがかかる。等)。そのことを描かないのは問題だとは思います。
しかし、それを差し引いても重要な問題提起を行っているし、何よりもよく取材してあるその態度に好感が
持てます。この態度はコミックスを通読して当初から一貫していることも今回わかりました。

そして21巻に収録されるであろうノルウェー編は更に詳しく取材してあります。
こう言っては何ですがこの漫画は他にライバル誌がない「ビッグコミック」ならではの漫画だと思います。
アンケートが重視される週刊誌では無理なのではないでしょうか(別に本作が人気がないとは言いませんが)。
そのことは重々承知の上で、それでも言っておきたい。

雁屋哲さん。偉そうに人に説教たれたかったらこれぐらい綿密に取材してから言いなさい。

大体「美味しんぼ」の問題提起(というかそれにすらなっていない場合が多い)は底が浅いんだよ。
ろくに調べもせずに行政側がやっているからというだけで反対して、しかも言うだけの言いっ放し。
対応策なんて上げやしない。「反対のための反対」。でなけらば愚にもつかない自虐的現代日本人批判。
まったく…(以下永遠に続く)






2007/3/22

「宇宙家族ノベヤマ」 著者:岡崎二郎
出版元:小学館(ビッグコミックス)


藤子・F・不二雄先生のS(すこし)F(不思議)マインドを最も色濃く受け継ぐ作家(と勝手に認定している)
岡崎二郎の最新単行本が発売されました。

内容は下記のとおり。
宇宙のかなたから全宇宙に向けてある電波が発信された。それは「『メッセンジャー』の資格のあるものの
到来を望む」という異星人からのメッセージとメッセンジャーの遺伝子情報、そして超空間航法のデータだった。

会社員野辺山雄一は妻恵子と姉美里、弟翔太の4人暮らし。昇進が決まり仕事に燃えているときに息子の
翔太が『メッセンジャー』であるとわかり、宇宙旅行を義務付けられてしまう。『メッセンジャー』が成人ならば
個人の意思で問題はないが、未成年の場合は家族が同行することになっていたのだ(ただし任意)。
宇宙旅行は最低で5年かかり、その間の生活は国家により補償されるが、会社での立場は必ずしもその限り
ではない。悩んだ結果雄一は家族で宇宙に旅立つことを選ぶのだった。

宇宙船は野辺山一家4人とパイロットの男女2名の計6人。宇宙船の中で生活するうちにバラバラだった
夫婦間、親子間の軋轢が徐々に解消されていく(そのきっかけにちゃんと宇宙空間での生活が関係していく
のが面白い)。また、行程には異性人たちの星や同じような『メッセンジャー』の宇宙船があり、科学の発展
度合いも道徳観もメンタリティも違う生物(だけではないが)との出会いを経て『メッセンジャー』の謎が徐々に
解き明かされる。

岡崎二郎作品にしては珍しく、連続ストーリー的な展開ですが、掲載誌が「増刊ビッグコミック」。
たまに本誌等にも掲載されますが大体2ヶ月に1本ペースです。完結まで温かく見守っていきたいです。
間違っても打ち切りとかしないでください。小学館様。





2007/4/2

ハチミツとクローバー」
著者:羽海野チカ
コミックス出版元:集英社(ヤングユーコミックス)


もう既に説明の必要がないほどヒットしてしまった作品です。
深夜アニメとしては驚異的な視聴率を上げ、しかも2度のアニメ化により原作の最終話までフォロー。
原作ファンにとっても納得のいく出来となっています。更に実写映画化により、ヲタでない人々
(いわゆるパンピー)からも支持を得ています。

しかし、これも無理からぬ話で、美大という比較的万人にわかりやすい舞台設定と
儚げで透明感のある絵、テンポの良い会話とギャグ、憎めないキャラクター、等々
「ヒットして当たり前」とすら言える完成度です。

とは言え、この作品、必ずしも順風満帆というわけではなく、むしろ掲載誌については
かなり複雑な経路をたどっています(ということは掲載誌にとっては救世主となるほどは
売れなかったということでしょうか)。

まず、初連載は宝島社の「CUTiEコミック」。
しかし、同誌の休刊により連載中断(コミックスもB6版で2巻まで出ていました)。
その後出版社を変え、集英社「ヤングユー」で連載再開(聞いた話では作者自ら同誌に
売り込みに行ったそうな)。コミックスも新書版にサイズ変更し1巻から出し直し。
ここでようやくコミックスが売れ、知名度も上がるがまたしても掲載誌が休刊。
同じ集英社の「コーラス」にお引越し(ただしコミックスはヤングユーレーベルのまま)。
と思ったら人気絶頂であるにもかかわらず移籍1年ほどで連載終了。
現在本編からのスピンオフ読み切りを掲載中(連載ではない)。

かような波乱万丈紆余曲折を経て完結に至った本作ですが、じつは前々から「この漫画、
何かに似ているな」と思っていたのですが、やっと思いあたりました。
その漫画とは『究極超人あーる』*です。


以下は自分が感じた両作品の共通点。
・文化会系の癖に妙に体育会系な部分がある。
・意味もなく偉そうで正体不明な先輩がいる。
・主人公に振り回される狂言回し的人物が物語を進める。
・一見まともに見えるキャラもどこか変である。
・狂言回し役の人物の卒業で話が終わるかとおもいきやそれからもちょっとだけ続き、
季節的に区切りの悪いところで最終回となる。

どうですか。似ていると思いませんか。

とはいえ、両者には最大にして決定的な相違点があります。
それは「恋愛にウエイトが置かれているか否か」です。
思うにマニアに(しか)支持された(されなかった)あーるとアニメ化され一般人にも
支持されたハチクロとの差はまさにこの一点だったのではないでしょうか。
まあ、舞台が大学と高校というのも大きな差ではありますがね。
というわけで、一般的には恋愛物としてとらえられているであろうハチクロですが、
ギャグ漫画好きの方にもオススメです。
絵柄や一般人の評価に惑わされず一度読んでみて下さい。


*「究極超人あーる」:85〜87年、週刊少年サンデーで連載された。
春風高校に転校してきたアンドロイド「あーる」とあーるが入部した「光画部」
(一般で言うところの写真部)の部員たちとのドタバタを描いたギャグ漫画。
豪華声優陣によるイメージアルバムはアニメ化されていない漫画作品の
イメージアルバムとしては驚異的な売り上げを記録し、第3弾まで作成された。
また、原作連載終了後ほぼ同じ声優陣によるOVAも作成された。
小学館漫画賞こそ逃したものの第19回星雲賞(ファン投票によって選出される
SF作品の賞)漫画部門を受賞している。





2007/4/11

「涼宮ハルヒシリーズ」
著者:谷川流
出版元:角川書店(角川スニーカー文庫)


本作は第3回角川新人ノベル大賞の受賞作で初書籍化作品だそうですが、審査員の評点は満場一致で
決定だったそうです。それはそうでしょう。出版にあたり多少は手直ししたとは思いますがこれが投稿作だと
したら金魚すくいの水槽に一匹錦鯉が泳いでいるようなもんですよ。
この作品、タイトルにある「涼宮ハルヒ」ではなく通称キョン(本名不明)の一人称で展開されます。
要するに狂言回しだが、本名が語られる事なく「キョン」という通称で一貫されているのは読者がそのニュー
トラルな立場に感情移入しやすくするための手法かと思われますが違うかもしれません(この物語では何気
なく伏線が張られていることが多いからこれも伏線でないとは言い切れない)。

せっかくだから内容説明を本作の文体風に紹介してみましょう。

俺(キョン)が涼宮ハルヒと出会ったのは高校の入学式直後の教室だった。
偶然俺の後の席に座ったあいつは外観だけで言うなら「美少女」と言ってもよかった。しかし、その中身が外見と
一致していないことはクラス全員がその自己紹介で知ることとなる。

『東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が
いたら、あたしのところに来なさい。以上』
それからのハルヒの行動は思い出すたびに眩暈がする。

あいつは文芸部の部室をのっとり非公認クラブ『SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」)』
なるものを結成しやがった(もっともいいたかないが発足の一因は俺の何気ない一言にある)。
団員はもともと文芸部のただ一人の部員だった『長門有希』、転校生だというだけで引っ張り込まれた『古泉一樹』、
団にはマスコットが必要だという理由で連れて来られた1年先輩の『朝比奈さん(朝比奈みくる)』、もちろん「涼宮
ハルヒ」本人、そしてこれが最も納得いかんのだが「俺」の5名。

全く脈絡なく集められたかのようなこのメンバー、しかし、実は俺を除く全員に常軌を逸する正体があったのだ。

まず長門は『情報統合思念体によって造られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース』、
早い話が宇宙人作成の生体アンドロイドだ。古泉は超能力者、朝比奈さんは未来人、そしてハルヒは…まあ、
これは小説を読んで確認していただこう。

とまあ、こんな感じです。

蛇足ですが、物語のフォーマットとしては非常に古いといえます。
一昔どころか二昔前の80年代に流行ったコンセプトといえるでしょう。
*1
90年代に入るとジャンプ系バトル漫画が花盛りとなり、このようなコンセプトの作品はあまり見かけなくなりましたが、
近年80年代作品を見て育った世代が送り手側になったことと「萌え」ブームにより復権したというのが現状でといえる
と思います。
*2

閑話休題

本作のすごいところは前述のとおり、非常にいじりやすい(ドタバタギャグにしやすい)キャラクターを配置していかにも
軽そうに、かつ萌え系であるような装丁でありながら(表紙及び挿絵の「いとうのいじ」の絵柄も一役買っています)正当な
ジュブナイルであると言う点です。

ジュブナイル、すなわち少年少女小説ですよ。そう、この作品のキャラたちは作中の事件を経てしっかり確実に成長して
いるのです。これがおじさんにとってはなんとも嬉しく、心温まるんですなあ。

なにはともあれ、この作品、装丁にだまされて購入した人は幸せですが、逆にこの装丁ゆえに敬遠している人もいるで
しょう(愚弟、君のことだ)。それははっきり言って不幸です。
なんなら表紙のカバーをひっくり返して読めばいいじゃないですか。オススメですよ。


*1 80年代は「うる星やつら」の大ヒット、OVAの市場開拓等より本作に近いSFアイディアごった煮作品が流行した。
漫画では「うる星やつら」、「県立地球防衛軍」、「究極超人あーる」、「ななこSOS」、アニメでは「プロジェクトA子」、
「ダーティペア」あたりがその系統といえる。
*2 ライトノベルでは「住めば都のコスモス荘」、「吉永さんちのガーゴイル」、漫画では「エクセルサーガ」、「ギャラクシーエンジェル」等。







2007/5/3

009ノ1」
著者:石ノ森章太郎  出版元:秋田書店(廉価版コミック)
ブックオフで上下巻とも105円で購入

下巻には当時のあとがきまで再録されているがそこに書かれているとおり、大人向け漫画ということで
気合が空回りしている。
まあ、これはこの世代の漫画家にはよくある事で、手塚治虫も藤子不二雄もつのだじろうも永井豪も皆
失敗している。例外は大人向けでも殆ど作風を変えなかった赤塚不二夫くらいか。

幼い頃生き別れ、今ではお互いスパイという職業についてしまったためまともに再会することがかなわ
なかった主人公が愛情に証として弟と寝てしまうエピソードはいかにも石ノ森らしいなと思った。



「事件屋家業」
著者:谷口ジロー 原作:関口夏央  出版元:双葉社(アクションコミック)
ブックオフで300円で購入

探偵物のルーツとも言うべき作品。幾度と無く他作品でオマージュとされている「いいか、覚えておけよ。
こういうのをフェイクエンディングって言うんだぜ。」という最終回のオリジナルを読んでみたくて購入。
さすがに手堅くまとまっているが後発の「ハロー張りネズミ」の方が面白いのは仕方が無いか。


「コーヒーをもう1杯」3巻
「ナルミさん愛してる その他の短編」

著者:山川直人  出版元:エンターブレイン(ビームコミックス)

もう6,7年前になるが、愚弟とともにコミティアに行ったことがある。自分はオタクなわりに人ごみが苦手
なので同人誌即売会に行ったのは今のところこれが最初で最後なのだが、その際にこの山川直人が
出品しており、売られていた同人誌を全種類買ったことがある(オリジナルと商業誌再録で5冊くらいだったか)。
その時「今ヤングキングで連載中の作品はコミックスになるのですか?」と聞いたら「さあ」と自信なさげに言って
いたのを覚えている。
その作品というのがこの「ナルミさん愛してる」だった。
その後このコミックスは無事少年画報社から出版されたが、今回のあとがきによると驚くほど売れなかったらしい。
現在山川氏はコミックビームで「コーヒーをもう1杯」を連載中。
絶版となっていた作品は本作以外も再販されている。
良いことだ。


「リセット・ポイント」
著者:西条真二  出版元:白泉社(JETSCOMICS)
ブックオフで105円で購入

「鉄鍋のジャン」の西条真二が青年誌初挑戦とコピーにあるが、この人もともとエロ系出身なので一周して
元に戻ってしまったなあという感じ。もっと長かったらもっと面白くなったかも。つまらなくはない。


「ダウンタウンモグ」全6巻
著者:古谷三敏 出版元:主婦と生活社

ずっと探していた本なのだが、近所の古本屋の100円均一コーナーで6冊全巻GET。
こういうことがあるから古本屋通いはやめられない。
名作「ダメおやじ」終盤で出てきた「モグ」という人語を解する謎のモグラのような生き物を中心としたスピンオフ作品。
当初はダメおやじの時と同様田舎に引っ越してきたおじさん(銀ちゃん)がモグたちに翻弄される話だったが、中盤以降
銀ちゃんがモグの町(モグタウン)にいけるようになってからは、はっきり言ってカテゴライズ不可能な摩訶不思議な
作品となっている。
思えばこの時期の古谷三敏は本作とか「手っちゃん」とか「ハチャメチャラボ」とか変な作品ばかり描いているなあ。


「仮面ライダーを作った男たち」全1巻
「仮面ライダーSPIRITS」12巻

著者:村枝賢一  出版元:講談社(KCDX 週間少年マガジン掲載)、(マガジンZKC マガジンZ掲載)

平山亨、石ノ森章太郎、大野剣友会といった「仮面ライダー」の製作に係わった人たちのドキュメンタリー。
1号ライダー=本郷猛の大怪我、石ノ森の初期デザイン、放送で使用した着ぐるみを使ってのアトラクショー等
オタクならば当然知っているエピソードばかりなのだが、村枝氏の筆力によりドエラク熱い物語になっている。
が、一方の「SPIRITS」はちょーっと間延びしちゃってるかなあ。
ま、村枝氏も俺と同世代だし、V3とライダーマンに思い入れが深いのはわかるが切るべき所は切らないと。


「五右衛門」全1巻
著者:石川賢  出版元:日本文芸社(SPコミックス)
昨年11月に急逝された石川賢氏の遺作がコミックス化。巻末に「盟友」永井豪が寄稿している。ああ完結まで読みたかったなあ。


注:上記、但し書きがないものはすべて定価購入。




2007/5/21

てれびくん」6月号
出版元:小学館

今月のイチオシは現在発売中のてれびくん6月号です。
キモは内山まもるの筆による「ウルトラマンメビウス外伝 超銀河伝説」第1話!

実は現在発売中の「ウルトラマンメビウス」テレビシリーズDVDには付録として
「ザ・ウルトラマンメビウス」という小冊子が同封されており、その挿絵が内山まもる
であるという情報は入手していたのですが、さすがにテレビで全話録画した作品を
改めて買い直すというのは経済的にもきついのであきらめたのですが、こちらは
1冊500円。てれびくんをいい年こいたオヤジがレジに差し出すという恥辱にさえ
耐えれば誰でも手に入ります。

しかし、それにしてもてれびくんかぁ、さすがにこれを買うのは30年ぶりくらいかなぁ。
小学生の当時は俺テレビマガジン派だったし…、と思ったらガオレンジャーの
「ここでしか手に入らない特別プレゼントガオパンダ」の応募券やアバレンジャーの
「ファイヤーノコドン」DVD欲しさに5年前にも買ってるジャン。何だ、さすが俺。






2007/8/14

今週はお盆で買う本がないのでアマゾンで買ったCDについてでも解説しましょう。
今回購入したのは5点。順に解説します。

スーパー戦隊シリーズ30作品記念 全主題歌集(発売元:コロンビア)

御存知のとおり2006年度作品「轟轟戦隊ボウケンジャー」をもって、第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」から
数えて通算30作品となり(30周年ではない。念のため)、本盤はそれを記念して作られたCDです。
OP、EDとして使われた曲は全て網羅してあり、挿入歌やイメージソングまでは必要ないという方には
最適です。全70曲以上、3枚組で5,250円はお買い得。
特撮好きならこれまでも様々なバージョンのCDを買っているかと思いますが、特に思い入れのあるシリ
ーズのソング集、BGM集だけ残して他は売ってしまっても良いのではと思える充実度です(実際自分は
そうしました)。



永久保存版 仮面ライダー 全主題歌集(発売元:コロンビア)

御存知のとおり2006年をもって、1971年放映の「仮面ライダー」から始まった仮面ライダーシリーズも
生誕35周年を迎えました。本盤はそれを記念して作られたCDです。
テレビシリーズのOP、EDとして使われた曲はもちろん、テレビスペシャルの「仮面ライダーZX」やオリジ
ナルビデオ作品「真・仮面ライダー 序章」、劇場版オリジナル作品「仮面ライダーZO」、「仮面ライダーJ」、
更には「仮面ライダーアギト」以降の新世紀ライダー劇場版までとにかく【主題歌】と名がつく曲はすべて
網羅されております。
しか〜し、いまだに日曜朝を楽しみにしている大きいお友達は御存知でしょうが、「アギト」以降の新世紀
ライダー(響鬼を除く)は独立したEDが存在せず、本編の最後にBGMとして使用されているだけなのです。
正直自分などは「台詞が聞き取りにくいからやめて欲しいな」ぐらいにしか思っていない、思い入れ皆無な
曲が続くのははっきりいって苦痛です(劇場版の主題歌も同様)。
これはこのCDのせいと言うよりテレビシリーズの変な構成のせいだと思うので是非これを機会に改正して
欲しいと思う次第です。スーパー戦隊同様3枚組、5,250円ですがちょっと割高に感じます。



ウルトラマンシリーズ生誕40周年記念 ウルトラマン主題歌大全集(発売元:コロンビア)

御存知のとおり2006年をもって、1966年放映の「ウルトラマン」から始まったウルトラシリーズも生誕40
周年を迎えました。
本盤はそれを記念して作られたCDです。OP、EDとして使われた曲は全て網羅してあり…と言いたいとこ
ろですが、このCDには「ウルトラマンネクサス」のOP,EDが収録されておりません。よくよくタイトルを見て
みると今回紹介した他の3タイトルは「全主題歌集」となっているのにこれだけ「主題歌大全集」。
ウワー、セコー。
聞くところによると版権の関係でネクサスだけは他のレコード会社から主題歌が出たらしいのですがこういう
記念CD出すときは多少無理してでも完全版にして欲しいですよねえ。
それとこのCDのみ構成も変。他の3タイトルは全て古い順に収録されているのにこれのみ最新作の「ウルト
ラマンメビウス」から新しい順に収録されています。これダメ、絶対ダメ。
やはりシリーズものの主題歌というのは前作を踏まえた上で作るので古い順に聞いてこそその真価がわかる
といっても過言ではありません。
この2点の除くとアニメ作品の「ザ・ウルトラマン」や「ウルトラマンキッズ」、劇場用アニメ作品の「ウルトラニャン」、
海外製作の「グレート」や「パワード」、劇場オリジナル作品の「ゼアス1,2」CM用キャラクターである「ナイス」
までかなり細かく収録されています。が、前述の2点が絶対的にダメなのでこのCDはオススメできません。



メタルヒーロー20周年記念盤 メタルヒーロー全主題歌集(発売元:コロンビア)

御存知の方はあまりいらっしゃらないと思いますが、2002年で、1982年放映の「宇宙刑事ギャバン」から
始まったメタルヒーローシリーズも生誕20周年を迎えたそうです(普通知らないって)。
本盤はそれを記念して作られたCDだそうです。テレビシリーズのOP、EDとして使われた曲を完全網羅。
今までカテゴライズが難しく収録されにくかったジライヤ、ジバン、ジャンパーソン、ブルースワット等が聞ける
のは嬉しい。2枚組、3,791円は他の3タイトルに比べると割高ですが、実はいちばんオススメです。



『らき☆すた』テーマエンディングテーマ集〜ある日のカラオケボックス〜
(発売元:ランティス 2,500円)


OP「もってけ!セーラー服」の超絶的ノリの良さで話題のアニメ「ラキ・スタ」ですが、この作品、EDも特徴的
です。
最初の1クール(13話)のEDは主要キャラがカラオケボックスに行き、騒ぎながら歌っているシーンを1曲分
ずつ分けた形で各話のEDにしているのです。で、その選曲というのがなんともマニアック。
出だしからして「宇宙鉄人キョーダイン」ですからね。以降90秒×13話分=19分30秒のミニドラマが続きます。
当初、「正直これだけだとしたら辛いな」と思っていたのですが、なんとなんと、この後に全13曲のフルコーラス
バージョンも収録されています。これで2,500円はお買い得ですよ(っていうか版権使用料は大丈夫なのか)。
というかですねえ、自分のようなオヤジにとっては若い女性が歌う「キョーダイン」や「アクマイザー3」が聞ける
というだけでもうなんというか…。


*「仮面(スカイ)ライダー」、「仮面ライダースーパー1」(金曜日19:30〜)後を引き継ぐ形で始まったのが
「宇宙刑事ギャバン」、「シャリバン」、「シャイダー」の宇宙刑事シリーズであり、以降アップ時に電飾付、メッ
キ塗装の着ぐるみを使うシリーズをメタルヒーローシリーズと呼ぶようになった。
シャイダー以降は「巨獣特捜ジャスピオン」(放映中に月曜日19:00〜に放送時間変更)、「時空戦士スピ
ルバン」、「超人機メタルダー」(放映中に日曜日9:30〜に放送時間変更)、「世界忍者戦ジライヤ」、「機動
刑事ジバン」(放映中に日曜日8:00〜に放送時間変更)、「特警ウインスペクター」、「特急指令ソルブレイン
」、「特捜エクシードラフト」、「特捜ロボ ジャンパーソン」、「ブルースワット」、「重甲ビーファイター」、「ビーフ
ァイターカブト」、「ビーロボカブタック」、「テツワン探偵ロボタック」と続き、間に「燃えろ!ロボコン」を挟み、戦
隊シリーズと放送時間帯を交代、終了することとなる。そして現在日曜日8:30〜に放送しているのは「仮面
ライダークウガ」から始まった新世紀ライダーシリーズである。
思えば昭和ライダーの後をついで始まった本シリーズは新世紀ライダーの開始をもって終了したわけだ。





2007/10/25

『アニメがお仕事』 全7巻  出版元:少年画報社 YKコミックス
掲載誌:ヤングキングOurs  著者:石田敦子


著者の石田敦子はアニメ畑出身で、アニメでの代表作は『勇者警察ジェイデッカー』や
『勇者特急マイトガイン』のキャラクターデザイン及び作画監督等があります。
漫画では本作のほかに『魔女レーナ マジョりーな』、『わがまま戦隊ブルームハート!』等。

正直な感想を書かせていただくと、本作を読むまでの著者へのイメージというのは(なまじかわい
らしく、結構自分好みの枝であるだけに余計)「絵の魅力に頼って可愛いけど意味のない物語の
短編連作を書いている元アニメーターの漫画家」というものでした。
しかし、本作の1巻を書店で手に取り、パラパラと読んでかなり印象が変わりました。
こんなにも情熱的な人だったのかと。

時代は80年代後半から90年代前半。
主人公は高校卒業後アニメの仕事につきたくて上京してきたニ太とその双子の姉イチ乃。

語られるのは好きな事(趣味)を仕事にしたことの楽しみと苦しみ。

自分がかつて感動したような作品を作りたいとおもう一方で実際に係わっているのはヒット作の
二番煎じ狙いという現実。
あの作品のあのシーンのような絵を描きたいと思いつつ実際には同じ職場の嫌な同僚にもかな
わない自分の力量。納得がいかないから書き直したい、もっと書き込みたいとおもっても容赦なく
やってくる締め切り。
そして、これだけもてはやされている業界であるにもかかわらず一向に改善されない劣悪な労働
環境。

これらは最初から最後までほぼ解決することなくイチ乃とニ太につきまといます。
ちょっと上手くなったと思えば、また新しいレベルでの問題とジレンマ(作業量の増加、仕事に関
する責任等々)がやってくる。
ほんのわずかな喜び(自分が係わったアニメが放映された。自分の担当した動画が動いた。スタ
ッフロールに名前が載った)を糧に気を取り直すと、それを待っていたかのように「好きなだけでは
食っていけないんだよ」と攻撃してくる「現実」。
思わず紙面に向かって「がんばれ」と言ってやりたいけど同時に、「自分よりがんばっている人に
簡単にがんばれなんていえない」(
by『耳を澄ませば』)なんてセリフも思い出したり。

「いっそのこともうやめちゃえば」と言いたくなるぐらいニ太が追い詰められるシーンもあります。
イチ乃が卵巣腫瘍で入院して手術が必要だと言われても最初に「子供産めなくなったりしないか」
ではなく「今やってる仕事どうしよう」と考えている、どうしようもなくどうしようもないシーンもあります。

でもね、この漫画はそれだけじゃないんですよ。展開的に救われるシーンが用意してあってニ太と
イチ乃がやる気を取り戻すシーンでは必ず70年代後半から80年代前半のアニメの名セリフや主題
歌の歌詞がインサートされ、これがまたいい年こいたオタクには実に効くんです(宇宙海賊キャプテン
ハーロック、劇場版銀河鉄道999、宝島等々)。


著者のプロフィールによると63年生まれ。広島出身で大の広島カープファンだそうですからイチ乃は
ほぼ著者の分身と言っていいでしょう。そこにニ太という(架空の)男性を組み込んだのは、男女の
メンタリティの違いを描く為だろうと思いますが、作中の女性陣(=著者)のニ太を見る目はかなり冷
酷です。っていうか「女って怖えぇ」と言うのが男性読者の感想ですな。


というわけで、何の予備知識がなくても充分面白い本作ですが、30代後半で70年代アニメの呪縛
から逃れられないいい年こいたオタクの方々及び若くても古いアニメが好きだという濃いオタクの方々
には特にオススメです。


追記:本作を読んでアニメ製作という業界に興味をもたれた方には、
『銭』(鈴木みそ 著、エンターブレイン 刊 BEAMコミックス)もオススメです。併せてどうぞ。

追記その2:著者の石田敦子とは年齢、アニメの趣味等かなり自分に近いのですが、もう一つ広島
カープのファンというのも実は自分とかぶります。といっても自分は最近のいくら選手を育ててもFAで
出て行かれてしまう風潮が嫌になって今ではさほど熱心には応援していないのですが、黒田残留と
今年の最下位脱出は久々に広島にとって良いニュースでした。主砲山本浩二、鉄人衣笠祥雄、炎の
ストッパー津田恒美、江川に引退を決意させた小早川のサヨナラホームラン、長嶋の対巨人戦2試合
連続サヨナラホームラン等々。80.90年代のカープの話をするとたまりませんな。




2008/1/17

『劇場版 藤子不二雄作品』

本屋とレンタルビデオ屋には何時間でもいられる俺。先日も特に借りるものもないのに、店内をぶらつ
いているとふと劇場版ドラえもんのDVDが目に留まった。
こういう子供向けシリーズものは大概順番がぐちゃぐちゃになっているものなのだが、ここもご他聞に
もれずぐちゃぐちゃであった。仕方がないので(なにが)公開順に並べ直しているとある事に気がついた。

ビデオ版では収録されていたドラとのカップリング映画が収録されていないのである。
いや、ドラミちゃんやミニドラ、ドラえもんズはあるのだが結局これらはドラのバリエーションである。
そうではなく、それ以外の怪物くんやハットリくん等完全に別作品の劇場版がないのだ。
だが良く考えれば当たり前。DVDのパッケージには「藤子・F・不二雄劇場作品集」とある。
A先生の原作である怪物くん等が収録されるはずがない。

あわててもうぼろぼろのビデオ版でドラ以外の劇場作品を借り集める。
1週間ほどかかり、古くから営業しているレンタルビデオ店を回ってソフト化されている物は全て集めた。
内訳は下記の通りである。

『怪物くん』 「怪物ランドへの招待」「デーモンの剣」計2本

『忍者ハットリくん』 
「ニンニン忍法絵日記」「ニンニンふるさと大作戦」計2本

『プロゴルファー猿』 
「スーパーGOLFワールドへの挑戦」「影の忍法ゴルファー」計2本

『パーマン』 
「バードマンがやってきた」「PaPaPaザムービー」「タコDEポン アシHAポン」計3本
(バードマンは第2期、後2本は第3期TVアニメの劇場作品化)

『21エモン』 
「宇宙へいらっしゃい」「宇宙いけ裸足のプリンセス」計2本
(宇宙へは完全新作、宇宙いけはTVシリーズの劇場作品化)

『エスパー魔美』 
「星空のダンシングドール」1本

『チンプイ』 
「エリさま活動大写真」1本

『ウメ星デンカ』 
「宇宙の果てからパンパロパン」1本

『忍者ハットリくん+パーマン』 
「超能力ウォーズ」「忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵」計2本


なお、これ以外にも『オバケのQ太郎』が2本、『ウルトラB』が1本公開されているがソフト化はされていない。
特にオバQはただでさえややこしい状況なところにこの2本は立体アニメ(赤と青のセロファンを張っためがねで見るやつ)
だったのでソフト化は絶望的だろう。また、パーマン3本のうち、新しい方の2本とウメ星デンカは
DVDにも収録されているが、F先生原作の魔美やチンプイが収録されていないのはちょっと意外だった。
そしてなんといっても「忍者ハットリくん+パーマン」。これは最早「封印作品」扱いなのではないだろうか。

「封印作品の謎2」(安藤健二 著:太田出版)という本ではオバQの項でいろいろと生臭い問題が
あることが暴露されているが、こんなことで優れた作品が日の目を見なくなってしまうのは誠に悲しい。
上記の作品はどれもマンネリ化して何の面白みもなくなった後期劇場版ドラとは違い、新鮮な面白さに
あふれる佳作ばかりである。
本当は封印されずにすむのが一番だがそれが難しい現在、手に入るうちに観ておいてほしい。

これは内緒だが、上記のほとんどの作品は15年以上前のビデオであるにもかかわらずコピーガードが
かかっているため通常はダビングできない。今ならまだ中古で手に入るぞ。




2008/2/28

燃えるV 1巻』(著者:島本和彦 発売元:メディアファクトリー MF文庫)

まずは著者紹介。著者の島本和彦は『必殺の転校生』で週刊少年サンデーの新人賞を受賞しデビュー。
今はなき増刊少年サンデー(増刊と銘打ってはいるが実際には月1回刊行の月刊誌であった。
現在では少年サンデーGXがこのポジションに当たる)にて『風の戦士ダン』を初連載(原作はあの
雁屋【美味しんぼ】哲)。この作品の好評を受け、週刊少年サンデーでデビュー作の再構成版ともいえる
『炎の転校生』(通称炎転)を連載。
この時点で島本はダンと炎転の同時連載という、既に看板作家的扱いであった。
その島本の炎転に続く週刊連載2本目が今回紹介する『燃えるV』である。
当然のごとく編集部側も読者側も相当な期待を持っていたわけだがこれがまあなんというか…。
結論から言ってしまうと『燃えるV』は1年弱、コミックス5巻で完結。
続く3作目『突撃ウルフ』はそれを更に下回るコミックス3巻で終了。
増刊でも『挑戦者』が討ち死。
以降島本和彦は小学館を離れ、他社でさまざまな作品を生み出すことになります。

そもそも今回なぜこの作品を取り上げるかといいますと、この文庫が今まで発行された『燃えるV』の
コミックス(初コミックスである新書版、小学館文庫版、メディアファクトリー刊B6版の3種)とはちょっと
違うからです。

この作品がどういう作品で当時どういう状況にあったかは、本コミックスのあとがき対談を読んでいただく
のが一番早いのですが、まあ、相当にグダグダな状況だったようです。
そのため単行本化の際に大幅な加筆修正が加えられましたが、世の中へそ曲がりな人間というのは
いるもので「描き直す前の雑誌掲載バージョンも好きだ」「むしろ雑誌掲載バージョンの方が面白い」
という意見があり、また、さまざまな条件が重なった結果、非常にまれなコミックスが発刊されることと
なりました。そうです、今回の文庫による発刊はこの「雑誌掲載バージョン」なのです。

で、内容なんですが…。グダグダです。それはもう…。
何しろ帯に「どれだけグダグダだったか見せてやる」と作者本人が書いてるぐらいですから。

えー、正直言ってですね、まあ、面白いかといわれると自信を持って面白いとはいえませんよ、特に序盤は。
「時代に左右されない熱血」というテーマなら『逆境ナイン』というより優れた作品がありますしね。
しかしですね、短いなりに良くまとまっているというか…。キャラクターの人間的成長が伺えるとか…。……。………。
ええい、もういい。オススメなんかやめだ。はっきり言おう。この漫画は島本和彦のファンだけ買え。それでいい。
島本のファンならこのグダグダの中に何かを見つけるはずだ。以上。

えーと、これだけではあんまりですのでもう1冊紹介を。


『アオイホノオ 1巻』(著者:島本和彦 発売元:小学館 YSコミックス)

現在島本和彦は、少年サンデーGXにて『新 吼えよペン』(通称吼えペン)という漫画家の日常を描いた
セミ・ドキュメンタリーを連載中ですが、本策はこの吼えペンの主人公 炎尾燃が19歳、大阪の大学生
だった時の物語です。
吼えペンとの大きな違いは登場人物が全て実名であるということ(庵野英明、山賀博之、あだち充、高橋
留美子、細野不二彦 等)と主人公がまだ学生ということで非常に無責任に漫画、アニメ、特撮に関する
思いを述べている点です。

こうして書くとそれほどの違いではないように思えるかもしれませんが、これが非常に面白い。
70年代後半から80年代前半のオタク業界の熱さというものが伝わってきます。
ただ、この面白さがわかるのは30代以上でしょうねえ。

余談ですが、吼えペンではプロという立場上、誰のファンであるとか何が(具体的な作品名)好きだという
ネタはあまり扱っていないのですが、同人誌として発行された『裏シマモト』ではこの辺のことをバリバリ
描いています。ひょっとしたらこれが『アオイホノオ』の元になったのかも。
なんか、今回はオススメになっていませんね。すいません。



2008/5/20

少年エスパーねじめ&純情パイン』(著者:尾玉なみえ 発売元:集英社)

以前からイチオシで何度となく取り上げている尾玉なみえですが、この度コンビニ売りの廉価版コミックスで
ねじめとパインがカップリングされ、発売されました。コミックス3冊分が1冊にまとめられ700円(税抜き)は
お得だと思います。

また、おまけ頁も充実しており、パインとねじめの連載第1回掲載号のジャンプの表紙と新連載予告の再録
(モノクロですが)、更にこれはよほどのマニアでなくては保存していないであろう巻末のお言葉(週刊少年
ジャンプでは目次頁で著者近状が書かれている)が全て掲載されています。自分はこのおまけ頁のために
この本を購入しました。

ところで著者の尾玉なみえは現在講談社に活躍の場を移しており、最新コミックスは
「マコちゃんのリップスティック」1巻(シリウスコミック)なのですが、集英社にはよほどなみえにほれ込んでる
編集がいると見えて、この本のあちこちに「もうそろそろお戻りになられてもよろしいのではないでしょうか」とか
のラブコールが書かれています。
読者アンケートが良くない(想像だが。まあ、そうでなかったら集英社をオン出されないでしょう)のに編集者に
好かれている漫画家というのもこの時代ある意味貴重といえます。

なみえファンならば当然ジャンプコミックス版で購入済みとは思いますが、売切れたらほぼ再販は絶望的な
廉価版コミックス、コレクターズアイテムとしていかがでしょうか。

追記:なんとなく気になってアマゾンで調べてみたら驚いた。「マコちゃんのリップスティック」は新刊なのに既に品切れ。
中古価格は2,000円超。「スパルたかし」「純情パイン」は1,000円超。「「少年エスパーねじめ」2巻は800円。
短編集である「ロマンティック劇場」に至ってはなんと5,980円。
定価以下で購入できるのは少年エスパーねじめ」1巻と唯一新刊の「アイドル地獄編」のみ。
ヤフオクでも「ねじめ」2巻セットが2,000円超。「純情パイン」1,000円超。その他はなし、とものすごい高騰ぶり。
いったいなみえに何があったのか。






2008/8/10

『さくさく現代史!』(著者:青木裕司×片山まさゆき 発売元:メディアファクトリー)

メディアファクトリーが最近発刊しはじめた「漫画と文章で知識を身につける」というのがコンセプトの【ナレッジエンタ読本】シリーズの1冊。
発行は08年3月で少々前の本ですが、入手したのが最近なのでご了承下さい。


著者のうちの文章を担当している青木裕司は現役の河合塾世界史講師。
挿絵(というか漫画)を担当している片山まさゆきは主に麻雀漫画を執筆しており
著書に「スーパーヅガン」「ぎゅわんぶらあ自己中心派」等がある。

しかし、よほどのマニアでなくては知らないとおもうが(驚いたことに青木は知っていたらしい)、
片山はモーニング増刊で「ウォッカタイム」という世界情勢をネタにしたギャグ漫画を、
ヤングマガジン増刊では「スウィート三国志」という三国志ネタの漫画を連載しており、
換骨奪胎が実に上手い漫画家でもあるのだ
*1
この二人がタッグを組み、現代史を実に面白く且つ解りやすく解説してくれたのが本書である。

第1章はパレスチナ問題、第2章はソビエト連邦の成立ちと崩壊、第3章は冷戦後の政界情勢をテーマにしている。
過去のこの手の本では日清戦争、日露戦争、満州事変を含む第2次世界大戦と日本が係わった世界的事件を取り上げ、
現代史と言っても現代日本史になってしまっている場合が多いのだが、本著はむしろ日本が係わった事件を意識的に避けているようにも思える
*2
そのせいもあるだろうが個人的には非常にニュートラルに、先入観なしで書かれていると感じられた。
また、第2章の冷戦については片山もあとがきでも書いているが当時よくわからずに見ていた様々なニュースが
実はこういう意味があったのかとあらためて確認できたのも面白かった。

ぜひ、第2弾、第3弾も出して欲しいと思える名著である。

*1 既にある物語やニュースを再構成したという意味でこの2作を挙げたが、麻雀漫画でも最新作である「打姫 オバカミーコ」も(片山流)麻雀入門や麻雀戦術書の漫画再構成版であるともいえる。余談だが片山まさゆきのレポート漫画なんかも読んでみたいなあ。

*2 第2次世界大戦にしてもドイツが始めて、イタリアと日本はそれに乗っかったというような描き方しかしていない。日本のそれ以外の出番といえば京都議定書をアメリカに渡したら鼻をかまれた(笑)位である。また余談だが、この企画で各国を擬人化する場合どうしたって各国の首相(代表)の似顔にしたくなるとおもうが(ドイツはヒトラーにしたくなるよなあ)、本書ではそれをせず、態度や服装でどの国かわかるようにしている。何気ないけどこれもすごいことだとおもう。





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