『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』  東宝 2003年12月13日公開  監督:手塚昌明



ミレニアムゴジラシリーズ第3弾。監督は前作に引き続き手塚昌明、ストーリーも完全に前作と同じ時系列で1年後となっています。
今回も
ネタばれとなっていますので、未見の方はご注意ください









ではストーリー

2003年のゴジラとの死闘から1年。
機龍は未だ稼動できない状態にあった。そんな折、機龍整備班の中条義人はたまたま訪れた伯父の家で不思議な人物と出会う。それは小美人と名のる小人で、伯父の中条信一とは旧知の仲のようであった。
彼女たちは生命は本来の時間の流れの中にあるべきであり、ゴジラの骨を利用した機龍はその流れに逆らうものだというのだ。
しかし、機龍は日本の守りの要であり、義人は整備士としての誇りもある。反論する義人に対し、小美人は機龍に代わりモスラが日本を守るという。

中条信一は早速首相に機龍の廃棄を進言するが、首相は確たる証拠もなしに日本の守りの要を放棄するわけには行かないと拒否。機龍の修理は進められる。

数日後、またしてもゴジラが日本に上陸する。
避難作業の中、信一の孫はモスラがゴジラをやっつけてくれると信じ、小学校の校庭に机でモスラの紋章を描く。
その思いにこたえるかのごとく、姿を表すモスラ。こうしてゴジラとモスラの死闘が始まった。
ゴジラの猛攻の前に苦戦するモスラ。モスラはついに最後の切り札燐粉攻撃に出るが、これもゴジラには通用せず、逆にゴジラの熱線の直撃を浴びてしまう。
進言どおりモスラが現れたため、機龍の出撃を見合わせていた首相だが、モスラがピンチに陥ったため、機龍発進を命じる。

しかし、修理後の調整が完全でなかったため、機龍もピンチに陥る。
機龍を助け、ゴジラの熱線を浴びて息絶えるモスラ。
同時刻、小笠原諸島では自らの寿命がもう短いことを感じたモスラが最後に産んだ卵が孵ろうとしていた。
生まれたばかりの双子のモスラ幼虫は母の敵を取るため東京を目指す。
一方機龍もたまたま近くにいた義人が故障した操作系を修理。非常用コクピットに乗り込み、戦いを再開した。

モスラ幼虫の意外な活躍により、ゴジラをあと一歩まで追い詰めるが、ゴジラの咆哮によりまたしても機龍が暴走してしまう。
機龍はモスラ幼虫が吐く糸に包まれたゴジラを抱えると日本海溝に向かって飛び立つ。海に飛び込む直前、機龍隊の同僚に助けられた義人を残し、ゴジラと機龍は日本海溝に消えるのだった。自らを封印するかのように。



まずは良かった点。
前作に引き続き、『ゴジラ』、『モスラ』、『ラドン』、『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』等、東宝が誇る怪獣達が初登場した映画のみ史実で、それ以外の続編は「無かったこと」になっている世界観にのっとり、本作は1961年に公開された『モスラ』の続編となっています。
『モスラ』で言語学者としてインファント島を訪れた中条信一を役者も同じ「小林博」が演じているのは古い特撮マニアなら感涙モノです。
また、物語は昭和の『ゴジラ対モスラ』のリメイクとも言えるつくりで、東京タワーの破壊、ゴジラとの戦いに敗れる成虫モスラ、その命を受け継ぐかのように生まれる双子の幼虫モスラ、ゴジラの尻尾に噛み付く幼虫モスラ、幼虫モスラの吐く糸に絡め取られるゴジラなど、ポイントとなる部分を抑え、そこにメカゴジラを絡ませたのは個人的にかなり気に入りました。
古い特撮ファンといえば、ガメーバを出したのも渋くていいですな。

それと特撮表現では成虫モスラの燐粉攻撃に対してイライラしたゴジラが熱線を吐くが、それが粉塵爆発を起こしてしまうシーンが気に入りました。
粉塵爆発により周囲が瓦礫の山になってしまったにもかかわらずぴんぴんしているゴジラと少々ダメージを食ったモスラという対比もいいです。



では次に悪かった…というか気になった点。
まず、主役の釈由美子の交代。
2年連続キャストにそんなに金がかけられないという、大人の事情はわかりますが、世界に1機しかない機龍のパイロットで、唯一の戦闘体験者である茜を何故自衛隊はアメリカに留学なんかさせるのでしょう。
もう少し納得がいく答えがほしかった。それと、若い自衛官の描き方が馬鹿すぎ。
主演の金子昇、『百獣戦隊ガオレンジャー』の時は気にならなかったのですが、一般人を演じるには少々演技過剰ですな。

その他は…ええい、もう箇条書きだ。
・ラスト戦闘シーンで機龍が暴走するなら、何故、前作のラストの戦闘シーンでは暴走しなかったのか
・機龍とは一体どういうメカなのか?初代ゴジラの骨から採取した神経細胞を利用したバイオコンピュータを装備しただけではなかったのか(今作では実際に骨が組み込まれているような描写)。
・最後モニターに移ったローマ字のメッセージはなんなのか?あれが初代ゴジラの意思だとするならゴジラは脳では無く脊髄でモノを考えているのか?(それとも、何しろ元ガオレッドだから機龍とも心を通じ合わせちゃったのかな)
・1作目の『モスラ』についての説明があまりにも不十分。前作の『ゴジラ×メカゴジラ』ではもっと初代ゴジラについて説明していたし、平成ゴジラシリーズでもキングギドラ、モスラの昭和からのスピンオフ怪獣についてはその出自を描いていたし、デストロイヤについても「オキシジェンデストロイヤー」のことをもう少し説明していた。
・中条信一は45年分年をとって出ているのに小美人は全くの別人なのはつまらない。どうせなら『モスラ』、『ゴジラ対モスラ』からザ・ピーナッツの小美人のシーンを抜き出してコンピュータで合成、声のみ新規アテレコにして欲しかった。
小美人が双子じゃない。双子の新人探すのが面倒ならせめて見た目が似ている二人にして欲しかった。身長すら違うンだもんなあ。
・ゴジラの造詣がイマイチ。首がのっぺりしていていかにも「ゴム製」に見えてしまう。


と、まあ不満を書き連ねてしまいましたが、自分はこの映画、『ゴジラvsキングギドラ』以降の平成ゴジラシリーズよりは高く評価します。
ついでに前作『ゴジラ×メカゴジラ』よりも。
なぜなら、本作にはゴジラに仲間意識を持つ似非エコロジストやゴジラと自分を同一視するようなお子様が出ないからです。
自分は怪獣映画のフォーマットで最も優れているのは「ジョーズ」だと思っています。
やっぱり怪獣というのはどこまでいっても「憎むべき人類の敵」だと思いますので。
怪獣を倒すときの最後のセリフは「おっ死ね、このヤロウ!」ですよ。やっぱり。

















『劇場版とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪』長っ!!)  東宝 2003年12月13日公開  監督:出崎充

ついでに同時上映のハム太郎についても触れておきましょう。
一言で言うと「普通」、というか「まとも」。
正直言いまして、1作目の「ハムハムランド大冒険」はストーリーを無視して動きとキャラクター描写のみを前面に押し出したノンストップジェットコースタームービーでした。そりゃあもう、映画としての整合性すら失うほどの。
それが2作目「ハムハムージャ 幻のプリンセス」で少々おとなしくなったもののまだまだゲストキャラなどが暴走していました。
それがこの3作目は、「1作目があまりに拡散しすぎていたため、少し抑えてくれといわれて作った2作目がまだ拡散していると言われ今度は締め付けすぎてしまった」という感じに纏まってしまいました。
何しろ盛り上がるべきヤマ場とオチがあるのですから(あー、こけないように。1,2作目では本当に無かったのです)。

しかし、ファンとは勝手なもので、こうなると少々物足りなくなく感じてしまうんですよねえ。でもまあ、「映画」としては3作で一番纏まっていると思います。
あと、個人的な不満をひとつ。劇場版のイメージキャラとも言える「ミニハムズ。」、2作目ではハム太郎に「今世界ツアー中なの」と声をかけていましたが、今回はそういう係わり合いがゼロ、しかもメンバーが変わっていることに何の言及も無いのはちょっと…。
それと目立ちすぎなのがプリンちゃん役の「阿倍なつみ」。
思ったより下手ではなかったけど出すぎです。
あ、語尾の「ナッチ」には笑いましたが。逆に良かったのはゲストの「ダンディ板野」。
わざわざ読んでおいてセリフが殆ど「ゲッツ」のみというのがよかった。一発屋のキャラをよく理解しています。

総合評価
ゴジラは、平成版「ゴジラvsモスラ」よりはずっと面白いです。
でも、フォーマットが同じな分だけ昭和版「ゴジラ対モスラ」には負けてます。60点。(えらそーに。)
ハム太郎は纏まったことをプラスと見るかマイナスと見るかで評価が割れるでしょう。うーん評価が難しいな。一応70点。
ところで来年2004年はゴジラ生誕50周年ですが、どうなるのでしょう。今作のラストからすると「クローンゴジラ」対「天然ゴジラ」でしょうかねえ。





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